アークス上期決算、コロナ需要で過去最高益を達成 グループ主要6社すべてで業績好調
アークス(北海道/横山清社長)は10月15日、2021年2月期第2四半期(上期)決算説明会を行った。同社もほかのスーパーマーケット(SM)企業と同様、新型コロナウイルス(コロナ)による需要増の影響を受け好調な業績を示し、過去最高益を達成した。
大幅な増収増益、過去最高益を達成
アークスの上期連結決算は、売上高2821億4000万円(対前年同期比109.9%)、営業利益103億9000万円(同174.0%)、四半期純利益76億1000万円(同169.0%)と高い伸び率で増収増益となり、第2四半期決算としては、過去最高益を達成した。第1四半期(3月~5月)と第2四半期(6月~8月)の比較では、売上高が同145.2%増、109.5%増、営業利益は同33.2%増、同10.9%増と、感染拡大が深刻化しSMへの需要が急増した第1四半期での好調が目立った。
グループ主要6社の状況では、主に都市部に展開しているラルズ(北海道/猫宮一久社長)と東光ストア(北海道/楠美秀一社長)の2社で業績の伸び率がとくに好調。上期の既存店売上高はラルズが同111.7%、東光ストアが108.1%で、主要6社すべてで増収増益となった。
客数・客単価では、上期平均で客数同97.5%、客単価同109.5%で買物頻度を控えまとめ買いをするコロナ禍における消費行動の変化が浮き彫りになった。北海道と東北地区の比較では、売上高・客単価ともに北海道での伸び率が東北を上回っている。東北では帰省自粛などの影響がより強かったとみられる。
下期も業績好調の見通し
現時点での下期の見通しとして、9月の既存店売上高は前年実績が増税前の駆け込み需要の影響を受けたため、同100.5%とやや落ち着いた数字になっているものの、10月(10月15日時点実績)は同110.3%となっており、「まだまだ勢いは落ちていない」と古川公一専務は話す。アークスは10月13日、21年度の通期業績予想を下方修正したが、これは今後コロナ禍がどう転んでいくのか予測がつかないためで、「修正計画は最低限の必達予算。9月を含め、今のところ大きくクリアできる状況で来ている」と古川専務。下期は、コロナによって上期に実施できず繰り越されている改装・修繕、もともと計画にはなかった新規出店などで販管費がかさむ見通しだが、販促の見直しなどを行いコストカットにも取り組む。
「コロナでSM業界は大きな恩恵を受けた。しかし、これはあくまで特需であって酔ってはいけない、と社内では言い続けてきた。安心はしていない」と横山清社長は語る。特需が去った後への対応として、従来のチラシ販促を減らすことによる経費削減、デジタル・トランスフォーメーションによる合理化・効率化を行い、その分をポイント還元やEDLP(エブリデー・ロー・プライス)に反映させ価格訴求に注力する考えを示した。