日本の20年成長率は-6.0%、回復は緩慢かつ不確実=OECD予測

ロイター
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夜の都内
6月10日、経済協力開発機構(OCED)はた経済見通しで、日本の国内総生産(GDP)について、新型コロナウイルスの感染拡大が第1波で収束した場合は2020年は前年比マイナス6%、21年は同プラス2.1%になるとの予想を示した。写真は都内で2日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 10日 ロイター] – 経済協力開発機構(OCED)は10日に発表した経済見通しで、日本の国内総生産(GDP)について、新型コロナウイルスの感染拡大が第1波で収束すれば2020年は前年比マイナス6%、21年は同プラス2.1%になると予測した。感染が10月以降に再度拡大した場合は、20年は同マイナス7.3%、21年は同マイナス0.5%となると予想している。

新型コロナウイルス感染症は「戦後最大の危機」であり、その影響で世界の経済活動は崩壊し、そこからの回復は緩慢かつ不確実なものとなるとみている。

日本経済は急降下、5─6月の雇用情勢を注視

OECDは日本の現状について、3─4月に新型コロナ感染拡大の広がりとともに外出自粛の要請などの制限措置が強化され、経済活動も急降下したと分析。特に、活動自粛と訪日観光の事実上の禁止措置の影響を受け、観光、宿泊、外食及びレジャー活動等の個人向けサービス産業が最大の打撃を被ったとしている。

雇用情勢については、新型コロナ感染拡大の失業への影響は限定的であるものの 1)3─4月にかけて失業率がやや上昇している、2)有効求人倍率が低下し続けている、3)正社員の有効求人倍率が1倍を切りつつある──ことをあげ、5─6月の数字を注視する必要があるとした。

コロナ第2波なら他国より回復力弱く、巨額の財政支出の反動を懸念

秋以降に新型コロナ感染の第2波が起きた場合、日本経済は中国や韓国など諸外国と比べて回復力は弱くなると予測する。日本は潜在成長率が低く、そこにコロナ・ショックという新たなリスクが加わったことと、巨額の財政支援措置の効果が剥落するためだ。

財政金融政策については、財政の持続可能性に対する信頼を確保するため、引き続き中長期的な財政健全化計画の具体化を進めるべきと指摘した。

また、国内での経済活動の再開に当たり、OECDは、1)安全性を確保しつつ段階的に経済活動の再開を行う、 2)感染リスクのより低い事業活動の再開を優先する、3)休業の延長などの影響が長引く業態に対象を絞り追加的な支援措置を講ずること──を提唱した。

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