米卸売物価、4月は1.3%下落 09年12月以降最大の落ち込み
[ワシントン 13日 ロイター] – 米労働省が13日発表した4月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比1.3%下落し、統計がさかのぼれる2009年12月以来の落ち込みだった。年率では約4年半ぶりの下げ。新型コロナウイルス感染拡大で需要が縮小する中、経済が短期的なデフレに陥る恐れがあるとの一部エコノミストの見方を裏付ける結果となった。
前年比では1.2%下落し、2015年11月以来の大幅な下落となった。予想は前月比が0.5%下落、前年比が0.2%下落だった。
変動の激しい食品、エネルギー、貿易サービスを除いたコア指数は、0.9%下落し、13年9月以来最大の下げ。3月の0.2%下落に続き、3カ月連続のマイナスとなった。前年比では0.3%低下した。3月は1.0%上昇だった。
PPIの内訳はエネルギーが19.0%の大幅下落。3月も6.7%下落だった。ガソリン価格が56.6%急落したことが影響し、1947年2月の統計開始以来最大の落ち込みになった。ガソリン価格は3月も16.8%下落していた。
モノは3.3%下げ、値下がり要因の3分の2はガソリンが占めた。モノの下落率は統計がさかのぼれる09年12月以来最大。食品は0.5%下げた。
モノの急落はPPIの下落要因の80%超を占めた。モノのコア指数は0.4%下げた。
サービスは0.2%下落。輸送費や倉庫コストの下げが要因。一方、貿易は1.6%上昇。貿易サービス費は卸売りや小売りの業者の利幅に相当する。
医療サービスは2カ月連続で横ばい。ポートフォリオ管理費は12.0%下落。医療費とポートフォリオ管理費はコアPCE価格指数に組み入れられる。