成長・物価とも20年度はマイナス、終息後も物価弱く=日銀展望リポート

ロイター
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都内でバスを待つ人
4月27日、日銀が発表した4月展望リポートは、経済・物価ともに内外における新型コロナウイルス感染拡大の影響から当面厳しい状態が続くとの見通しを示した。写真は都内で20日撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 27日 ロイター] – 日銀が発表した4月展望リポートは、経済・物価ともに内外における新型コロナウイルス感染拡大の影響から当面厳しい状態が続くとの見通しを示した。20年度については成長率、物価とも従来のプラス見通しから転じて、いずれもマイナスとなった。感染終息を想定する21年度も経済成長の割には物価は緩やかな上昇にとどまる見通しを示している。

20年度は成長率が大幅なマイナス見通しとなり、マイナス5.0─マイナス3.0%となっている。物価も、感染症拡大や原油価格の下落などの影響を受けて弱含むとし、コアCPIの見通しはマイナス0.7%からマイナス0.3%のレンジとなった。

ただ21年度になると、ペントアップ需要や挽回生産の動きが出て、実質GDPはプラス2.8─プラス3.9%と相当強い成長率を見通している。しかし一方で、物価は0─プラス0.7%と、緩やかな上昇見通しとなっている。

先行き見通しには「不透明感がきわめて強い」とし、今回の見通しは「感染拡大の影響が終息するまでの間、企業や家計の中長期的な成長期待が大きく低下しないことや、金融システムの安定性が維持されるもとで金融仲介機能が円滑に発揮されることなどが前提」としている。しかも「そうした前提には大きな不確実性がある」と指摘している。

リスクバランスについては「経済・物価のいずれの見通しも、下振れリスクの方が大きい」とした。

経済・物価のリスク要因としては、以下の3点を挙げた。

1)感染拡大が終息する時期までの内外経済に与える影響の大きさについて、不確実性が大きいこと。その後の経済改善ペースも不確実性が大きい。

2)企業や家計の中長期的な成長期待が、感染拡大の長期化を契機に低下した場合は、終息後も支出意欲が高まりにくい。

3)金融システムは強いストレスを受けている。感染拡大の影響が想定以上に長期化すると、実体経済悪化が金融システム安定性に影響を及ぼし、それが実体経済へのさらなる下押し圧力として作用するリスク。現時点ではこうしたリスクは大きくないと判断しているが、先行き動向を注視する必要。

※内容が途中で切れていたため、修正し追記いたしました。(4/27 16:45)

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