ネットフリックス、巣ごもり需要で契約者急増 年後半は減速も
[21日 ロイター] – 米動画配信サービス大手ネットフリックスが21日発表した第1・四半期の有料契約者数は市場予想を上回った。新型コロナウイルスの感染拡大を抑制する世界的なロックダウン(都市封鎖)を受け、自宅でオンライン動画を鑑賞する人が増えた。
有料契約者数は第1・四半期に世界全体で1577万人増加し、1億8290万人となった。増加数は自社予想(700万人)の2倍を超えた。
地域別では、欧州が440万人増と最も大きく伸びた。北米は231万人増、アジア・太平洋は360万人増、中南米は290万人増だった。
ディズニーなどの参入で米国内で動画配信の競争が激化する中、ネットフリックスは海外事業の成長を模索している。
ネットフリックスは、第2・四半期も750万人の有料契約者数増加を見込んでいるとした。これはファクトセットの予想381万人を大きく上回る水準。
ただ、7─12月における契約者の伸びが、前年同期と比べ鈍化するとの見通しを示した。需要が前倒しされた可能性があるためとした。
同社は株主への書簡で「外出制限が解除されるに伴い、契約者の伸びは鈍化し、視聴は減るだろう」との見方を示した。
第1・四半期の1株利益(希薄化後)は1.57ドルで、アナリスト予想の1.65ドルを下回った。
総売上高は57億7000万ドルで、前年同期の45億2000万ドルから拡大。リフィニティブのアナリスト予想は57億6000万ドルだった。
海外事業の売上高は、新型コロナなどの影響によるドル高で圧迫された。
ネットフリックスは、世界各国で実施されている外出制限の恩恵を受けている数少ない企業の1つ。S&P総合500種が2月19日の最高値から約19%下落しているのに対し、ネットフリックスの株価は同期間に11%上昇した。
インベスティング・ドット・コムのシニアアナリスト、ハリス・アンワー氏はこれについて、ネットフリックスが「究極の巣ごもり株」であることを示していると指摘した。
その上で、世界的なリセッション(景気後退)や競争激化が、年後半に同社に影響しないという保証はないとし「先行きについて同社は明確な見通しを示しておらず、短期的に株価を圧迫する可能性がある」と述べた。
ネットフリックスは、世界各国での映画・テレビ制作の停止を受けて一時的にキャッシュフローが増加しているものの、一部の番組に1四半期の遅れが生じる可能性があるとの見方を示した。
株価は時間外取引で0.5%高となっている。