タバスコにデロンギ…ユニクロ「UT」が食品・消費財ブランドとのコラボを加速させる理由
ユニクロ(山口県/柳井正社長)が同社のグラフィックTシャツブランド「UT」の2020年春夏コレクションを発表した。これまで数々のアーティストやキャラクターとのコラボ商品を発売してきたUT。今回も著名なファッションブランドとの共同開発品や人気映画、漫画などをモチーフにしたTシャツを多数発表した。
人気ブランド「AMBUSH」とのコラボが実現
春夏シーズンになると店頭で大々的に展開されるユニクロのTシャツブランド「UT」。世界各国の著名なアーティストやデザイナー、ファッションブランドやアニメキャラクターなどとコラボした商品を毎シーズン投入しており、若者を中心に大きな人気を集めている。
UT誕生の経緯を紐解くと、2003年に「Tシャツを、もっと自由に、面白く。」をテーマにスタートした「ユニクロTシャツプロジェクト」に端を発する。その後07年にクリエイティブディレクター佐藤可士和氏を迎え、「UT」のブランド名での展開を開始。一時はUTのみを扱う専門店を出店するなど、その話題性やファッション性の高さから、ユニクロの中でも異彩を放つ1ブランドとして成長していった。
そんなUTの2020年春夏コレクション展示会が2月20日、東京都内でメディア向けに開催された。
リリース配信の段階から大きな注目を集めていたのが、クリエイティブディレクターYOON氏による人気ブランド「AMBUSH(アンブッシュ)」とのコラボ商品。ディズニーの人気キャラクター「ミニーマウス」をAMBUSHの世界観で表現したTシャツのほか、アウターやボトムス、ショルダーバッグなども展開。AMBUSH×ディスニー×UTという3者のコラボレーションはファッション市場で大きな話題を呼びそうだ。
話題の映画・漫画も「UT」に
UTがこれまでも注力してきた、話題の映画作品や漫画のキャラクターをモチーフにした商品も多く発表された。たとえば女性を主人公とした映画とのコラボレーション作品「WOMEN IN MOVIES」では、世界中で人気を博した映画「ラ・ラ・ランド」や「プラダを着た悪魔」をモチーフにしたTシャツを展開。男性向けには「マトリックス」などSF映画の世界観を表現したTシャツを「Sci-Fi Movie Collection」として販売する。
漫画については大手出版社の集英社とコラボし、今年で創刊65周年を迎える漫画雑誌「りぼん」、少年コミック誌「ヤングジャンプ」で掲載されている作品をモチーフとした商品を販売。このほか、手塚治虫氏や赤塚不二夫氏など著名漫画家の作風を取り入れた「ミッキーマウス」、発売40周年の「ガンプラ」(ガンダムのプラモデル)のTシャツなど、個性的なラインアップとなっている。
カップヌードル、タバスコ、デロンギ…”日常にある商品”もファッションアイテムになる!
そのほか注目したいのが、世界の”名品”をフィーチャーしたという「The Brands Masterpiece」の商品群だ。UTではこれまでも食品や消費財のメーカーとのコラボ商品を発売してきたが、今回さらにアイテムを拡充。日清食品の「カップヌードル」、エスビー食品の「粉わさび」、不二家の「ミルキー」、世界的な歯磨き粉のブランド「アクアフレッシュ」、イタリアの家電ブランド「デロンギ」などのロゴや商品をモチーフにしたTシャツを投入した。
従来、こうした身の回りにある消費財をモチーフにした衣料品や雑貨はどちらかというと「ノベルティグッズ」「バラエティグッズ」のような性格が強かった。しかしUTの1商品として展開されることで、最新のファッションアイテムと化した格好だ。当然、メーカー側にとっては商品のブランド力を高めるきっかけになるだろう。
なお、今回発表されたアイテムは2月下旬から順次発売される予定だ。