相次ぐ下方修正で暗雲の予感? 最新決算発表前に振り返るホームセンター2022年度決算

兵藤 雄之
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ホームセンター(HC)の市場規模は4兆円。コロナ特需の反動減で市場規模は縮小傾向にある。主要HCの2023年の月次動向を見ると、既存店前年割れの月が大半を占めている。主要HCでは23年度第3四半期(3Q)累計で減収となった企業が多く、通期業績予想を下方修正する企業も目立った。

「DCM寿店」
 DCMHDは23年12月、ケーヨー(千葉県)を連結子会社化したが、3Q決算公表時点で、売上高、営業利益ともに、期初に公表していた通期業績予想数値を下方修正した。

2023年度3Q決算、主要HCではコーナン商事のみ増収

 『ダイヤモンド・ホームセンター』誌の調べによれば、HCの市場規模は、コロナ禍での巣ごもり需要の追い風を受けた2020年度に4兆2686億円となり、同誌調査開始以来、初めて4兆円を突破した。21年度はコロナ特需の反動減により4兆1360億円に減少、反動減2年目の22年度はかろうじて4兆円を維持したものの、コロナ前の規模に逆戻りをしている。

 23年度はどうなっただろうか。調査対象は異なるが、経済産業省の商業動態統計では23年のHC商品販売額は前年比横ばいで推移した。そのなかで、ペット・ペット用品は20年の実績を上回り、過去最大の販売実績になっている。

 しかしながら主要HC企業の23年の月次実績を見ていくと、既存店前年割れの月が多くを占めている。天候不順などもあり、客数の前年割れは長期に続いている。全店ベースでも、年間を通して前年同月を上回っていたのはコーナン商事(大阪府)のみだ。

 主要HCの23年度3Q累計の売上動向を見てみると、コメリ(新潟県)、アークランズ(新潟県)、ナフコ(福岡県)が売上高で前年同期を下回った。DCMホールディングス(東京都:以下、DCMHD)は前年同期比1.1%増となっているものの、前年に子会社化した家電EC最大手のエクスプライス(東京都)分を除くと3.5%減となっており、増収となったのは実質的にはコーナン商事のみという状況だった。通期業績予想については、コーナン商事を除く売上上位4社が下方修正している。

 DCMHDは23年12月、ケーヨー(千葉県)を連結子会社化したが、3Q決算公表時点で、売上高、営業利益ともに、期初に公表していた通期業績予想数値を下方修正した。

 コーナン商事は24年2月期も積極出店を継続し、2月末までに国内28店舗(うちプロショップ20店舗)を新規出店した。また、23年9月からドラッグストアのキリン堂(大阪府)とプライベートブランド(PB)商品の相互供給を開始している。連結ベースで24年2月期の売上高は7.2%増の4704億円を見込んでいる。

 アークランズの3Q決算は、ホームセンター部門の売上高および営業収入は2.4%減の1866億円。3月決算のコメリ(新潟県)は3Qで連結営業収益が2.3%減の2900億円だった。

 HC業界トップのカインズ(埼玉県)は非上場のため期中の状況は明らかではないが、23年6月に新宿に初出店(ハンズ新宿店内)、11月には九州北部を中心に展開するHC、グッデイ(福岡県)にオリジナル商品を供給することを発表した。

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