神戸物産、業務スーパーを1500店まで拡大 そのための新業態もスタートへ

阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
サテライトスコープ:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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フランチャイズチェーン(FC)本部として「業務スーパー」を展開する神戸物産(兵庫県)。食品市場では競争が激化する中、独自性の高い品揃えで業績を伸ばし続ける。現在、2026年10月期までの3か年中期経営計画を推進中で、店舗網を拡充する一方、外食・中食にも取り組み、小売に次ぐ事業を育成しようとしている。「主力業態では、プライベートブランド(PB)商品を強化、継続的な成長を実現したい」と話す沼田博和社長に、今後のさらなる成長余地、具体的な成長戦略について聞いた。

追い風が吹いた2023年10月期

──2023年10月期(前期)の連結業績は、売上高4615億円(対前期比13.5%増)、営業利益307億円(同10.4%増)でした。いかに振り返りますか。

沼田博和氏
沼田博和(ぬまた・ひろかず)
●1980年生まれ。
2005年3月、京都薬科大学大学院薬学研究科修士課程修了。
大正製薬総合研究所を経て、09年4月、神戸物産入社。
11年1月取締役、12年2月から現職

沼田  前期に臨むに当たっての認識から説明すると、ナショナルブランド(NB)を中心に、いっそう、値上げ傾向が強まる年になると見ていました。そこに賃金の上昇が追いつかず、家計の財布の紐が締まり、当社にとり追い風になるとの予想でした。

 フタを開けると、売上高は当初予算より好調に推移、結果としてかなり想定を上回る好業績で着地しました。ただ23年5月のコロナ「5類」移行後は消費が鈍化、気を揉みました。しかし夏以降は客数増に転じて回復し、第4四半期にはそのプラス分が数値に反映されるかたちになりました。

編集部註:既存店出荷実績(神戸物産単体)は上期5.6%増、下期9.4%増

──さて神戸物産は現在、24年10月期を初年度とする3か年中期経営計画に取り組んでいます。

沼田  中期ビジョンは「PB商品を強化し、業務スーパーを中心として、事業の継続的な成長を目指します」。基本方針・戦略として、①外食・中食事業の拡大、②国内PB商品の生産能力の強化、③業務スーパーの継続的な成長を目指す──、の3つを重点施策として推進します。最終年度の26年10月期には、売上高5430億円、営業利益370億円、10%以上のROIC*の達成をめざしています。

*投下資本利益率:税引後営業利益÷(有利子負債+株主資本)

──達成への確度や見通しを聞かせてください。

沼田  主力事業の業務スーパーは従来通り、成長軌道を維持できるよう引き続き注力します。そのうえで、

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記事執筆者

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

サテライトスコープ

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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