好調トレンドにある和日配、値上げ続く洋日配 2024年の日配の商品政策 を徹底解説

解説・文:中村 徹(トルティーノ代表取締役)
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コロナ禍が収束を見せ、経済活動が日常を取り戻しつつある今日。日配部門にフォーカスすると、コロナ禍では販売トレンドが大きな変化を見せており、今後はその変化を機敏にとらえた商品政策(MD)を実行することがポイントとなる。和日配、洋日配それぞれについて、2023年までの振り返りと、24年の展望、方向性を確認したい。

和日配
和日配の好調がSM全体の決算に影響

 まずは和日配から見ていこう。図表❶は同カテゴリーの22年の年間支出金額について、3年前(コロナ禍前)の19年と、22年前の00年とを比較し、増減を数値化したものである。表を見てわかる通り、00年比では和日配カテゴリーの多くで金額が減少している。こんにゃくは58.5%とほぼ半減、豆腐は68.2%、漬物類は72.5%といずれも7割前後となっている。唯一、納豆だけが、112.8%と伸びていた。

売場の様子
納豆の支出は00年比で112.8%と伸びたが、19年比で99.5%に落ち着いた

 ただしコロナ禍を挟んだ19年比で見ると、和日配カテゴリー全体で下げ止まりが見られた。特に生うどん・そばは19年比で108.8%、揚げかまぼこは106.3%、ちくわが105.8%、かまぼこ114.3%と、00年比に対して支出金額を伸ばしている。

 コロナ禍では外食が不振で、家庭内調理への回帰傾向が見られた。収束後もその傾向は一定程度継続しているとみられ、23年のSM各社決算を見ても、比較的好調な企業が多い。あくまで私見ではあるが、和日配の好調も全体の業績に好影響を与えているように感じる。「日配」の定義には各社で若干の違いがあるため一概には言えないが、和日配はSM各部門の中でもとくに利益率が高いカテゴリーの1つであり、和日配が好調な時は全体利益にもよい数値が表れやすい。

主に和日配の2022年1世帯当たり品目別年間支出金額伸長率
図表❶主に和日配の2022年1世帯当たり品目別年間支出金額伸長率

「タイパのよさ」を意識した訴求を

 そんな中、24年の和日配の販促ポイントとなるのが、昨今よく見聞きする「タイパ」(タイムパフォーマンス)という言葉だ。もともと、和日配カテゴリーの商品は、

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