11月の消費者物価、2.5%上昇=食料品が値上がり―総務省
総務省が22日発表した11月の全国消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が106.4と、前年同月比2.5%上昇した。上昇は27カ月連続。食料品の値上がりが続く一方、燃料価格の下落などで電気・ガス代が低下し、伸び率は10月から0.4ポイント縮小した。伸び率の縮小は2カ月ぶり。
11月の指数の動きを項目別に見ると、生鮮食品を除く食料は前年同月比6.7%のプラス。原材料価格や物流費の上昇が響き、調理食品や菓子類などが値上がりした。宿泊料は62.9%上がり、比較可能な1971年以降で最大の上昇率を記録。観光客の増加に加え、政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」で前年に大きく低下した反動が出た。
エネルギーは10.1%のマイナス。政府の負担軽減策もあり、電気代は18.1%、都市ガス代は16.8%それぞれ低下した。政府が石油元売り会社への補助金を延長・拡充したことで、ガソリン価格高騰の勢いも鈍った。
生活実感に近い生鮮食品を含む総合指数は2.8%、生鮮食品とエネルギーを除く総合指数は3.8%それぞれ上昇した。
長引く物価高に賃金の上昇が追い付かず、実質賃金は目減りが続いている。24年春闘で、どの程度の賃上げが実現するかが焦点となる。