【特別編集版】発表!世界の小売業売上高ランキング トップ企業の顔ぶれ、日本企業の順位は?
デロイト トーマツ グループが今年も「世界の小売業ランキング」の2023年版を発表。上位250社の平均小売売上高成長率(対前年度比)は前年を上回る勢いを示した。好調企業の多くは、販売チャネルの拡大や最新テクノロジーを活用した買物体験向上の取り組みに注力している。上位企業や日本企業の動向にいて、ダイジェスト版をお送りする。※本ランキングは、21年度(22年6月までを期末とする事業年度)の公表データに基づいて作成されている
前年度を上回る勢いで成長!トップ3の顔触れは変わらず
本ランキングにランクインした上位250社の小売売上高は対前年度比8.5%増(為替調整後の売上高加重平均ベース)となり、20年度(同5.2%増)を上回る好調ぶりを見せた。
21年度の小売業界は、依然としてインフレ率の急上昇、商品価格の高騰、金融政策の引き締め、サプライチェーンの大混乱、労働市場の逼迫などの大きな課題に直面。一方でコロナ関連の規制が徐々に緩和され、多くの消費者が”コロナ前”の買物行動にほぼ戻ったことが成長に大きく寄与したといえる。
ランキングトップ10社にフォーカスすると、10社合計売上高が全体に占める割合は34%で、ほぼ前年と変わらず大きなシェアを有している。大半の企業は店内テクノロジーの導入、オムニチャネルの拡充など、デジタル活用による買物体験のさらなる向上に注力し、売上成長につなげている。
今回もランキング首位に立ったのは、米ウォルマート(Walmart)だ。前年度に続き好調を維持し、小売売上高は同2.4%増の5727億ドルとなった。一方でEC売上高も同12.8%増と伸長したものの、前年度の大幅な伸び率からは鈍化しており、米国内でのコロナ関連規制の緩和に伴う消費者の実店舗回帰に影響を受けた格好だ。
続く2位には前年度に引き続き、ECの巨人・米アマゾン(Amazon.com)がランクイン。同社の21年度の小売売上高成長率は対前年度比12%増で、20年度の34.8%という並外れた伸びからはスローダウンしたものの、堅調に推移した。「アマゾンブックス(Amazon Books)」など一部の実店舗フォーマットの閉店が報じられている一方、22年1月には同社初のファッション専門の実店舗「アマゾンスタイル(Amazon Style)」を米カリフォルニア州に開業。実店舗の領域でも依然としてチャレンジングな取り組みを継続している。
3位はホールセラー大手のコストコ(Costco Wholsale)で、小売売上高は前年度から17.5%増と絶好調。トップ10社の中では中国の京東(JD.com)に次いで高い成長率を示した。世界的な新規出店のほか、既存店売上高も同16%増と2ケタの伸びを見せたことが大きく寄与した。近年力を入れるEC事業の売上高成長率は同44%増、売上比率は7%となっている。
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