個人の魅力で商品を売り出す! 2023年のEC最新トレンド「P2C」とは

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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前回は、2022年小売業界に起こった3つの変化と、その影響について少し深掘りしてご紹介しました。今回は、2022年に水面下で起きた変化と、小売業界全体に影響を及ぼすようになったEC業界の観点から、予測される2023年の小売業界についての予測をご紹介しましょう。

Phiromya Intawongpan/iStock

2023年は店舗とデジタルがうまくミックスする

 2022年にDX(デジタルトランスフォーメーション)が加速したことで、デジタルが小売に影響を及ぼす「デジタルインフルエンス」の重要度はさらに高まりを見せていますが、その反面で単純なEC化率には大きな影響はありませんでした。ただし、その数字だけを見て、実店舗への回帰が起こるという見方には少し注意が必要です。

EC化率に変化がなくとも、それが実店舗への回帰につながるわけではない
EC化率に変化がなくとも、それが実店舗への回帰につながるわけではない

 実店舗における「触る」「試す」といった体験が小売業界において重要なのは従来どおりですが、そこにプラスして「知る」「比較する」といったデジタルを活用した消費行動はある程度定着しているといってよいでしょう。しかし、日用品や定期的に購入する食品など、シンプルに決済して受け取るだけの商品においては、デジタル上で完結する機会が増えるようになっています。

 このような流れから私は「2023年は店舗とデジタルがうまくミックスする年になる」と考え、とくにデジタル接客について大きな変革が起こる年になると予測しています。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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