ファミマ、既存店の収益力強化に今期1330億円を投資、6月から時短営業の実験

ダイヤモンド・リテイルメディア社
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加盟店の人手不足やコスト増への対策として、新型発注端末3万2000台やセルフレジ4000台、引き出し型の陳列棚など新規什器・設備に250億円を投じる。

 ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は4月10日、店舗の収益力強化に向け2020年2月期に1330億円を投資すると発表した。デジタル化の推進を含めた総投資額は1400億円となる。

 既存店向け投資額は前期比倍増の1130億円となり、1店舗当たり700万円を投じる。新店向け投資は200億円に絞る。ユニーファミマHDは9月1日付けで完全子会社のファミリーマートを合併し、社名をファミリーマートに変更するが、新生ファミリーマートとしてのスタートは加盟店支援を最重点施策とする。

 加盟店の人手不足やコスト増への対策として、新型発注端末3万2000台やセルフレジ4000台、引き出し型の陳列棚など新規什器・設備に250億円を投じる。7月に導入する自社キャッシュレス決済サービス「FamiPay(ファミペイ)」を含めて、キャッシュレス対応も強化する。これにより、店舗作業を5時間削減できると見込む。

 24時間営業を続ける加盟店向けの奨励金は、最低賃金額の上昇率に合わせて増額する。6月からは東京都内と長崎・秋田両県の約270店舗で深夜時間帯に店舗を閉める時短営業の実験を始める。時短営業を毎日行う場合、日曜日だけに限定する場合に分け、営業時間帯も午前7時から午後11時、午前5時から深夜1時までなど3つのパターンで検証する。
 実験には時短営業を希望する加盟店のみが参加、3〜6カ月の間、実験を続ける。

 商品力を強化して日販(1店舗1日当たりの売上高)を引き上げるために、冷凍食品の売り場拡大、新型コーヒーマシンの導入などに370億円を投じる。

 これらの施策により、新生ファミリーマートとして初の決算となる20年2月期の連結事業利益(国際会計基準)は前期比26.1%増の650億円を見込む。前期に計上した構造改革費用が減少することや旧「サークルK」「サンクス」から「ファミリーマート」への転換費用の減少などで、純利益は10.2%増の500億円となりそうだ。

■新生ファミリーマートの2020年2月期の投資計画
加盟店支援・店舗収益力の強化 1330億円
既存店 1130億円
新店 200億円
デジタル化の推進 70億円
総投資額 1400億円

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