中国GDP、異例の公表延期=共産党大会が影響か
【北京時事】中国国家統計局は17日、7~9月期の国内総生産(GDP)について、18日に予定していた公表を延期すると発表した。重要統計の公表が突如延期されるのは極めて異例。中国では16日から5年に1度の共産党大会が開かれており、社会の安定が重視される中、景気悪化を示す統計の公表を避けた可能性がある。
9月の鉱工業生産や小売売上高など、今週予定していた他の経済指標の発表もすべて延期する。延期の理由や新たな公表日は明らかにしていない。
中国では、新型コロナウイルスの感染拡大を徹底的に抑制する「ゼロコロナ」政策に伴う経済活動の混乱を背景に、生産や消費の低迷が長期化している。4~6月期のGDP伸び率は商都・上海市のロックダウン(都市封鎖)が響き、前年同期比0.4%だった。7~9月期も年間目標の「5.5%前後」を下回る3%台にとどまるとの市場予想が大半。若者の失業率は高止まりしており、ゼロコロナを続ける習近平指導部に対する市民の不満が拡大している。
中国税関総署も、14日に予定していた9月の貿易統計の公表を先送りしたままとなっている。第一生命経済研究所の西浜徹主席エコノミストは、理由を明示しない形での公表延期が続くことにより、中国の統計に対する「市場の信頼は低下する」と指摘した。