業績絶好調のZOZO、BtoB事業からのユナイテッドアローズ離脱の影響は?

棚橋 慶次
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ZOZO(千葉県/澤田宏太郎社長)が4月27日に発表した2022年3月期連結決算は、売上高が1661億円(対前期比12.8%増/前期から187億円増)、営業利益が496億円(同12.5 %増/前期から55億円増)と増収・営業増益だった。商品取扱高は同21.3 %増の5088億円と2ケタの伸びを見せている。

ZOZO
写真:ロイター

売上・利益ともに過去最高を更新

 ここ10年間、ZOZOの業績は右肩上がりを続けており、売上高・営業利益とも過去最高を更新中だ。過去5年間の売上高CAGR(年平均成長率)も11.2%と2ケタ台に乗っている。

 収益面でも、売上高営業利益率が29.9%、ROE(自己資本利益率、対商品取扱高)は62.5%と、1ケタ台位にあえぐ上場企業が多いなかで突出している。

 各事業の商品取扱高は、各クオーターとも前期比2ケタ台の伸長を安定的に維持した。顧客あたりの年間購入金額や出荷単価はやや低迷したものの、出荷件数や年間購入者数は着実に伸びている。「ZOZOTOWN」への出店数も一貫して増加傾向にある。各サイトも訪問者数や新規会員獲得は伸びが安定している。

 事業別の取扱高では、ZOZOTOWNが対前期比9.6%増の3916億円だった。内訳としては受託販売のウエートが大きいが、買取・製造販売やユーズドの販売も伸びた。そのほか、BtoB事業(同19.3%増、266億円)、 PayPayモール(同55.5%増 、438億円)も好調だ。

 営業利益についてはPayPayモールを含む受託販売、利益率の高い広告事業売上、決済手数料などの増収に伴う粗利益高増に加え、業務改善(物流センターの作業効率・代金回収委託業者・パッキング資材の見直し)が増益に寄与した。

 また、22年3月期はメディアプロモーション(テレビおよびウェブメディア)やポイントキャンペーンなどの集客施策を強化、商品取扱高に占めるプロモーション関連費用の構成比は対前期比1.5ポイント増加となる2.5%*となった(注:22年3月期よりポイント関連費用は収益認識基準変更により、売上から減額する形式に変更、販管費には含まれないことになった。2.5%は販管費に含めた場合の数字)

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