ユニリーバ、提示額引き上げず事実上断念 GSKの大衆薬部門買収
[19日 ロイター] – 食品・日用品大手ユニリーバは19日、英製薬グラクソ・スミスクライン(GSK)の一般医薬品(大衆薬)部門に対する買収計画を事実上断念した。GSK側がいったん拒否した提示価格を引き上げない方針を表明した。
ユニリーバの米上場株は10.1%急伸。GDKは2.8%下落した。
ユニリーバは500億ポンド(680億ドル)で買収を提案。GSKは「根本的に過小評価している」として買収案を拒否。2022年半ばに同部門を上場させる計画を堅持し、事業の業績見通しを引き上げている。
ユニリーバは発表文書で、これらの点を考慮したものの「基本的な価値に対する当社の評価を変えるものではないと判断した」と説明した。
GSKの広報担当者は、同社は株主価値の最大化に注力しており、大衆薬事業の将来性と潜在性に非常に自信を持っていると述べた。
ユニリーバの買収計画を巡っては投資家やアナリストの間で財務への影響懸念が高まり、株価が週初に急落していた。
GSKには米ファイザーが32%出資している。
ファイザーの戦略に詳しい関係筋は今週に入り、ロイターに対し、GSKとファイザーは、ユニリーバに買収提示額を引き上げる用意があれば、交渉を開始する意向だと述べていた。