超繁盛店の売場から見えてきた! 絶好調ロピアの強さと死角!

矢野清嗣
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なぜ、ロピアのスタッフには勢いがあるのか

 快進撃を続けるロピアに死角はないのだろうか。

 売場を見ていると、ロピアの総菜の多くは店内加工であり、製造には手間がかかる。TOKYO-BAY店も以前は弁当や丼物を約30種類ほど提供していたが、今回の調査では基本商品の扱いは変わらないものの、ラインアップ自体は絞り込まれているようだ。

 同様に、揚げ物やおかず類でも品揃えを絞っていると見られる。売れすぎて製造が間に合わないということも考えられるが、「人手がいれば、本来の力を発揮できるのに」という“もどかしさ”が売場からは伝わってくる。人海戦術によりインストアの総菜を提供するロピアにとって、最大の課題は人手不足にあると考えられる。多くのSMが人手不足に苦しむが、繁盛店戦略を採るロピアにとっては、それが売上に直結してくるため、より影響は大きいだろう。

 最近のロピアは怒涛の勢いで出店を続けており。そのスピードの速さには人材育成が追いつくのかと老婆心ながらに思うが、過去に同じ課題を抱えてきたチェーンはそれらを乗り越えてきた。これは裏を返せば、従業員にとっては新たなチャレンジができるということでもあり、ロピアには多くのチャンスがあると捉えることもできる。

 従業員の能力は与えられたポジションによって伸びていくという側面もある。ほかのチェーンで働くスタッフの中にはロピアの環境をうらやましいと感じる場合も多いのではないだろうか。

 企業の勢いはスタッフの仕事ぶりに反映される。ロピアのスタッフは若くて前向きに仕事に取り組んでおり。「考えるより先に体が動いている」というような印象さえ受ける。「小売業はデジタル時代・AI時代だ」とも言われるが、小売業の原点は売場の商品であり、販売スタッフのモチベーションである。ロピアにはそうした従業員の“感性”があり、それが売場・お客に伝播している。こうした目に見えない従業員の力がある限り、ロピアの勢いが止まることはないだろう。

店舗概要
店舗名称 ロピアららぽーとTOKYO-BAY店
開店日 2013年2月21日
所在地 千葉県船橋市浜町2-1-1 ららぽーとTOKYO-BAY西館1階
店舗規模 約800坪
営業時間 10:00~20:00(金・土・日・祝は21時まで営業)
駐車台数 約8500台(ショッピングセンター全体)

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