平均日販65万円超!? 知られざる「沖縄ファミリーマート」の実力
中食商品の7割が沖縄限定商品!
本土のファミリーマートの店舗と比べて、明らかな違いを感じられるのが、弁当やおにぎり、チルド総菜、カウンターフードなどの中食の売場だ。各所に、見慣れない商品が多く並んでいるのである。
たとえばおにぎりでは、「SPAM®」ブランドのランチョンミートを使った「ポークたまごおにぎり」、那覇・首里にある沖縄そばの名店「しむじょう」監修の「ジューシーおにぎり」(「ジューシー」は沖縄の炊き込みご飯)、「フーチャンプルーの包みおにぎり」などを販売している。
弁当・麺類では、レンジアップの「沖縄そば」「タコライス」「ゴーヤーチャンプルー弁当」「島豆腐の麻婆豆腐」、チルド総菜では「タコミート」(タコライスに乗せる味付けミンチ)、「ラフティ」(豚の角煮)などをラインアップ。さらにカウンターFFでは、観光客にも人気の「上間弁当天ぷら店」の沖縄天ぷらを熱々の状態で展開している。
このように地元の味を追求するだけではなく、ほかのCVSとの差別化を図るうえで重要の役割を担っているのが、店内調理の焼き立てパンだ。現在(19年7月時点)28店舗で導入しており、売場中央部に設けたケースで20~25種類を販売している。
焼き立てパンはもともと、ファミリーマートが15年に買収したココストアが展開していたもの。県内で高い支持を得ていたことから、2社の合併後も、沖縄ファミリーマートでは商品を進化させながら販売を継続している。
ちなみに、その傍らには挽きたてコーヒー「ファミカフェ」のディスペンサーが置かれているが、ファミカフェも沖縄独自のブレンドとなっている。また、利用客はそこでカップにコーヒーを入れてからレジで会計する、という流れも本土の店舗とは異なる点である。
マーケティングや商品開発は、沖縄ファミリーマートが独自に行っている。「社員の90%以上が沖縄の人間。県民が好む味を自然と追求できる」(広報担当者)という開発体制も大きな強みだ。
現在、沖縄ファミリーマートの中食商品のうち地区限定商品は約7割以上。沖縄においても、内地のMDをベースにしているセブン-イレブンとは真逆を行く戦略を掲げている。
参考記事:緊急現地レポート セブン-イレブン沖縄進出!ローソン、ファミマと真逆の商品政策の理由と勝算
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