大手中心に淘汰の流れ?セルフレジを待ち受ける受難とは
日本でも報じられているように、米国では小売店における盗難被害が深刻化している。そうしたなかでやり玉に挙げられているのが、悪用しやすいセルフレジ。店舗運営の効率化に寄与するツールとして重用されていたのが一転、大手を中心に淘汰の動きが進みつつある。
衝撃の調査結果! 15%が「セルフレジを悪用」
米国ではインフレによる物価高騰も相まって、小売店の盗難被害が深刻さを増している。
直近では、カリフォルニア州サンフランシスコ近郊のショッピングモール内のターゲット(Target)の店舗で、総額6万ドル(約900万円)もの万引きを働いた女性が現地で話題になった。20年10月から21年 11月にかけて同店を120回以上訪れ、盗難を繰り返したというのだ。
1回の来店で平均500ドル(約7万5000円)相当の商品を盗んだことになるが、ターゲットでそれを実行するとなると、ショッピングカートが山盛りの状態になるはずだ。犯人曰く、セルフレジで商品をスキャンせず従業員の目を盗んでジャケットの内ポケットに入れたり、カートの隅にジャケットを被せて未精算の商品を隠したりと、細工を施したそうだ。それでも1回で7万5000円分もの商品を万引きできるとは信じ難いが、実際に店側はそれを把握できなかったのである。
もちろん、セルフレジではスキャン漏れやエラーなどにより、お客が意図せずに商品を未精算で手にしてしまうリスクもある。お客が商品を1個1個自らスキャンするという手順を踏むため、その手間のなかでどうしてもスキャン漏れは生じてしまう。オンライン融資の仲介会社レンディングツリーが約2000人を対象に行った調査では、回答者のおよそ5人に1人(21%)が、“意図しない万引き”の経験があると答えた。
ただし同調査では、「セルフレジを悪用して故意に万引きをした経験がある」との回答が約7人に1人(15%)に上るという、笑えない結果も出ている。キャンディなど安い商品をスキャンし、ステーキ肉など高額な商品はスキャンせずに持ち帰ったり、同じ商品2つのうち1つだけスキャンし、両方持って帰るといった方法で悪事に手を染める人は少なくない。
何より悩ましいのが、仮にこうした不正を認めてお客に指摘しても、「スキャンをし忘れただけ」と言い逃れされれば、それ以上は追及しようがないという点だ。確たる証拠がないなかで店側もお客に対して強く出ることはできない。
セルフレジの撤去・削減進む
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