ファミマ、好調リテールメディアのさらなる拡大に向け新サービスを開始!
ファミリーマートビジョンの役割が変化!
ファミリーマートビジョンの設置も拡大していく考えだ。ファミリーマートビジョンは通常、各店舗のレジ上に設置され、商品の広告などが配信されている。現在は全国の約1万店舗に設置し、1週間で約6400万人へのリーチが可能となっている。今後は大都市圏を中心にさらに2000店舗に追加設置し、約7700万人へリーチ数を拡大する計画だ。
設置店舗数を増やす中で、ファミリーマートビジョンの役割も変化しつつある。足元では商品の販促にとどまらず、メディアとしての可能性を広げており、地方テレビの番組と共同で商品開発を行い、番組とファミリーマートビジョンで開発過程をまとめた動画を流して双方への送客を実現。ほかにも、30の都道府県と連携し、各地域ごとに内容を変えた熱中症対策の啓発動画をファミリーマートビジョンで流した。ゲート・ワン代表取締役COOの速水大剛氏は今後の展開について「リーチを強化しつつ、外部のメディアや自治体との取り組みなど横連携を通じてリテールメディアとしての可能性を広げたい」と話した。
「Famipay」、リアルカードも発行へ
ファミリーマートが推し進めるカスタマーリンクプラットフォームには、金融サービスも含まれる。今回の戦略説明会では、新たな施策として、来年の春にファミペイの決済サービス「Famipay」のリアルカードを発行することを発表している。Famipayはファミリーマートの店舗での決済が中心で、利用場所が限られていたが、リアルカードはガソリンスタンドや鉄道改札のほか、JCBの加盟店など国内外の約4900万店で使えるという。リアルカードの発行によって、Famipayの外部利用を促進するねらいだ。
顧客接点を強めるべく、リテールメディア事業において新たな施策を打ち出したファミリーマート。同社は、リテールメディア事業の営業利益を3年後(27年2月期)に50億円、5年後(29年2月期)に100億円とする目標を23年7月に掲げている。この進捗状況について、細見社長は「勢いからいうと5合目くらいの感触を持っている」と手ごたえを語る。一方でコンビニを取り巻く経営環境については「17年ぶりにゼロ金利が解除され、これからインフレが本番になると考えている」との危機感も示す。「金利のある世界でさらに成長していくには、お客さまとより強力に“コンビになる”ことが必要不可欠だ」としてカスタマーリンクプラットフォームの構築をさらに進めていくとした。