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デジタル・AI変革の落とし穴と成功に導く方法

解説・文:櫻井 康彰(McKinsey and Company パートナー)、福島 章顕(McKinsey and Companyアソシエイトパートナー)、菊池 玲菜(マッキンゼー・アンド・カンパニー)
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食品小売業が取り組むべき変革について解説する本連載。第1回はデジタル・AI活用による変革だ。背景にあるのはコスト増と人手不足。総務省によれば日本の生産年齢人口は2021年の7450万人から50年には5275万人に減るといわれている。

食品小売業にとって人時生産性の向上は喫緊の課題なのである。生産性向上のために、デジタル・AI変革は不可欠で、実際各社は投資を加速させている。

しかし、この数年を振り返ると、日本の小売業はこのデジタル・AI変革で大きな成果を上げたとは言い切れないという事実が浮かび上がってくる。デジタル・AI変革を成功させ、収益の柱にしていくための要諦は何か、グローバルでの調査・支援結果をもとに解説したい。

デジタル AI イメージ
生産性向上のために、デジタル・AI変革は不可欠で、実際各社は投資を加速させている(i-stock/metamorworks)

デジタル・AI変革が進まない理由

 グローバルの食品小売企業のなかには、収益実現に寄与するデジタル・AI変革を推進している企業が存在する。その好例がウォルマート(Walmart)。オムニチャネル活用、リテールメディア、マーケットプレイス化など、デジタル・AI変革を着実に進める。

 一例として「Text to Shop」サービスでは、消費者がテキストを送信するだけで食品を購入できるほか、レシピのアイデアを得たり、家庭における在庫補充の提案を受けたり、配達や受け取り時間を決定したりすることができる。

 また、ウォルマートと取引をするサプライヤーは10万を超えるが、そのサプライヤーとの交渉をAIを備えた会話ベースでのインターフェースで支援する取り組みも行っており、生産性の向上につなげている。

 ただしこうした成功企業は

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