米ズーム、通期売上高見通しを2倍に 在宅勤務で需要急増
[2日 ロイター] – ビデオ会議サービスの米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズは2日、年間売上高の見通しをほぼ2倍に引き上げた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたロックダウン(封鎖)措置で在宅勤務をする人や友人とオンラインでつながる人が増える中、ユーザーが急増していることが背景。
同社が発表した第1・四半期決算も好調で、売上高と利益がともに市場予想を大幅に上回り、株価は米株市場引け後の時間外取引で5%近く急伸した。
同社のビデオ会議ツールを巡っては、利用者が増える中、プライバシーやセキュリティー面の脆弱性が問題視され、改善に向けたアップデートの提供など対応を余儀なくされたが、四半期決算報告によると、従業員10人超の顧客数は現在約26万5400社で、1年前の4倍近くに増加している。
同社は企業向け有料会議ツールで、シスコシステムズの「ウェブエックス」、マイクロソフトの「チームズ」、グーグルの「ミート」と競合するほか、消費者向けに無料版を提供している。
第1・四半期売上高は3億2820万ドル。リフィニティブのIBESデータによるアナリストの予想は2億0270万ドルだった。
ただ売上高が大幅な伸びとなる一方で、コストもそれを上回るペースで急増。売上原価は330%増の1億0370億ドルとなり、粗利益率は68.4%と、前年同期の80.2%から低下した。データセンターなどのコストが膨らんだ。
特別項目を除く1株利益は0.20ドル。アナリストの予想は0.09ドルだった。
通年の売上高見通しは17億8000万─18億ドル。従来予想は9億0500万─9億1500万ドルだった。アナリストの予想平均は9億3520万ドル。
同社の株価は今年に入り3倍以上に上昇している。