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小売業をより進化させる!生成AI活用7つの領域とは

望月 智之 (株式会社いつも 取締役副社長)
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生成AI活用②顧客対応業務の置き換え

 メールやチャット対応、さらには店舗での電話対応など、これまで人が行っていた顧客対応業務は、ほぼすべて生成AIに置き換えることが可能となりつつあります。

 たとえば、営業時間や商品在庫の確認、注文商品のステータス確認、返品対応など、さまざまな業務をAIが低コストで効率的に処理できる点は大きなメリットです。顧客対応業務の置き換え、これが2つ目です。

 ただし、すべての顧客対応をAIに任せることが必ずしも良い結果をもたらすわけではありません。顧客満足度を維持・向上させるためにはAIの運用方法をしっかり設計する必要があります。

 まずはAIが問い合わせ内容を自動で分類し、必要に応じてコールセンターのオペレーターが対応するか、AIで自動対応するかを判断する仕組みを導入する方法が効果的です。

 また、生成AIは過去の購入履歴をもとに、顧客に対して売上につながる提案を行うことも可能です。これにより、顧客対応だけでなく売上促進にも寄与できる攻めと守りの両方で活用できるツールとして期待されています。

生成AI活用③需要予測と在庫の最適化

 また、生成AIは過去の購入履歴をもとに、「顧客に対して売上に繋がる提案を行う」ことも可能です。これにより、顧客対応だけでなく売上促進にも寄与できるツールとして期待されています。

 小売業において、メールマガジンやLINEでお知らせを送る作業は、時間がかかるうえに熟練したスキルが必要ですが、労働力の減少により、この業務を継続することが難しくなってきていました。

 しかし、生成AIの登場で文章や広告の自動生成が進み、ターゲットに合わせたキャッチコピーや商品提案の文面をほぼ自動化できるようになりました。

 さらに、バナー広告の自動生成も進化しており、現時点ではまだ人間の作成レベルには及ばないものの、今後1年程度で人と同等のクオリティに達すると期待されています。広告やメール作成が自動化されることで、作業効率が飛躍的に向上するだけでなく、購買履歴や顧客属性、来店・来訪履歴などを基に、個人個人に最適化された広告を作成することが可能なのです。

 これまでのマーケティングでは、A、B、C3パターン程度にターゲットを分けていたのに対し、生成AIを使うことで、無限にペルソナやターゲットを細分化し、100パターンでも1000パターンでも一気に作成できるようになります。

 とくに小売業においては、広告やマーケティングにかかるコストが大きかったため、この自動化の効果は非常に高いとされています。さらに、紙のチラシだけでなく、デジタルチラシも顧客の属性に応じて自動生成できるようになり、これからのマーケティング領域で大きな期待が寄せられています。

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記事執筆者

望月 智之 / 株式会社いつも 取締役副社長
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。

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