英ダイソン、EV開発事業を終了 採算合わず
[ロンドン 10日 ロイター] – 英家電大手ダイソンの創業者ジェームズ・ダイソン氏は10日、同社の電気自動車(EV)開発事業について、商業的に採算が合わないため打ち切ったと発表した。
ダイソン氏は、同社のエンジニアは「非常に優れた車」を作ったと指摘。研究開発の失敗でプロジェクトを打ち切るのではないと強調した。
同氏はスタッフに「開発過程を通して多大な努力を重ねたが、採算が取れるようにする方法を見い出せない」と説明。事業の買い手も探したが、見つからなかったと付け加えた。
ダイソンは2年前、バッテリーや電気モーターの専門知識を生かしてEVの開発に取り組んでいると発表した。バッテリーに関するノウハウを武器にEV開発で優位に立てると考えたが、事業撤退の決定からは、自動車会社をゼロから興すのに伴う複雑さとコストを過小評価していた同社の想定がうかがえる。
EV開発は断念したが、同社は固体電池や、視覚システム、ロボット工学、機械学習やAI(人工知能)などの技術開発は続ける方針を示した。