マルエツが創造した「体験型スーパーマーケットモデル」1号店の全貌
「代替肉」から「昆虫食」まで…サステナブルを意識したMD
他方、サステナブルを追求した店づくりにも力を入れる。売場では、「大豆ミート」など代替肉をコーナー展開するほか、総菜においても代替肉を使った商品を豊富に揃えている。また、日配売場では「蜂の子」「カイコのさなぎ」の佃煮を販売。世界的に「昆虫食」がブームになりつつあるなか、日本古来の昆虫食メニューを提案するというチャレンジブルなMDも展開している。
また、船橋三山店ではマルエツで初めて「フードドライブ」に参画。店頭に専用ボックスを常設し、顧客の家庭で不要になった食品などの寄付を募る。また、外箱の破損などにより品質には問題ないものの販売が困難な商品については、地元の寄付団体に届ける「フードバンク」の取り組みも行っている。
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このように、「4つの価値」の提供と「サステナブル」を志向した店づくりに挑むマルエツ。同社は船橋三山店の開業当日に大規模な組織改正も発表しており、今後新たな運営体制のもと、店、商品、そして顧客体験のさらなる進化を図っていくとみられる。
コロナ禍で軒並み好業績に沸くSM業界だが、好調の波に乗っているうちに「今後の自社の店のあるべき姿」を問い直し、それに向けた店づくり、MD、サービスのための積極的な投資を行うことも重要だ。その意味で、今回のマルエツの取り組みは、業界関係者にとって示唆に富んだ動きといえるだろう。