写真満載!新中計「GG2022」のモデル店、サミット五反野店の戦略と売場づくりを徹底解説
「ハイタッチwithハイテック」を追求
では、「GG2022」の方針は五反野店にどのように反映されているのか。
まず、同店では「ハイタッチwithハイテック」を掲げ、最新技術を活用することで、より地域住民に利便性や買物の楽しさを感じてもらえるようにしているのが特徴だ。
たとえば出入口付近の4本の柱に、デジタルサイネージを設置した。19年10月開業の「テラスモール松戸店」(千葉県松戸市)では壁面に長さ10mを超える大型のディスプレーを設置したが、今回はより小型のタイプを導入した。店舗の外からもディスプレーが見えるようにして通行者の興味をひくとともに、入店すると全4本の柱が視界に入り、来店客が思わず店の奥まで足を進めてしまうような楽しい買物環境を提供する。
また出入口すぐの場所には、新たな取り組みとして、ドイツ・ベルリン発農業ベンチャー企業であるインファーム(Infarm)の、次世代型屋内垂直農法のファーミングユニットを設置した(21年1月稼働予定)。専用什器によって店内、また「ハブ」と呼ばれる東京都内某所に設置された拠点の計2カ所で栽培したバジルやパクチー、レタスなどの葉物野菜を販売する。
店内や店舗の近くで農産物を生産することで、物流による環境負荷を低減させるインファームの取り組みが、サミットのGG2022の方針と合致することから今回、業務提携に至ったかたちだ。今後、利用動向をみてその他の店舗への導入も検討していくという。
さらに「ハイテック」の施策として、約20台ものセルフレジを導入した。サミットはこれまで、セルフレジを都市型小型店で実験的に導入してきた。大型店にこれだけの台数を設置したのは初の試みとなる。
そうして浮いた人時を、サミットは接客やサービス向上につなげるねらいだ。たとえば同店では、サミットが近年、新店を中心に配置してきた接客専任の「案内係」を、1~2人体制の既存店と比較して多く配置したという。また、来店客から要望のあった商品を揃えるコーナーも大きく設けている。