写真満載!新中計「GG2022」のモデル店、サミット五反野店の戦略と売場づくりを徹底解説

取材・文=「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部 大宮弓絵
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地域住民とともに店を進化させる

 食品の売場づくりについて順を追って解説していく。取り扱いSKU数は1万2726で、新MDの導入により充実した品揃えを提供する。新MDとは、サミットが11年から取り組む施策で、「生鮮の総菜化」や部門横断型の売場づくりなどを行うものだ。具体的には、青果売場には「フレッシュサラダ&カットフルーツ」コーナー、鮮魚売場には魚総菜の「煮魚・焼魚」、精肉売場には肉総菜の「グリルキッチン」といった、店頭の素材を店内加工した即食商品の売場を生鮮各部門に新設した。また部門横断型の売場づくりでは、総菜部門による店頭の素材を使った寿司は鮮魚売場でコーナー化するほか、鮮魚や精肉部門が手掛ける冷凍食品の一部を冷凍食品売場に集約する。

 総菜売場については、壁面一面に大きなガラス窓を採用し、店内調理のライブ感を演出する。また、新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響で揚げ物のバラ販売ができなくなっても、訴求力ある売場を提供するべく、専門店で人気を集めるメニューを商品に取り入れるほか、什器に傾斜や高低の差をつけて商品を魅力的に見せる工夫を行う。

 そのほか五反野店で特筆したいのが、地域とのつながりを構築するためのさまざまな工夫が見られる点だ。たとえば開店準備の際、SNSを通じて地域に根差して営業するデザイン事務所の存在を知り、イートインコーナーに飾る絵の制作を依頼した。またこちらもSNS上で、サミットの開店を待つ地域住民が「店頭に生えている木がイルミネーションされ、地域を明るくしてくれると嬉しい」という内容のコメントをしていたことを受け、実際に電飾を施した。服部社長は「このような積み重ねによって、近隣住民の皆さんに地域の一員として認めていただき、ともによりよい店をつくっていきたい」と話す。

 このように、サミットが新・中計「G G2022」の方向性を初めてかたちにした五反野店。ただし「現段階での完成度は3割程度」(服部社長)だという。サミットは「GG2022」において、地域住民やお客の“声”を今まで以上に重視しており、これを取り入れることで店を進化させていく考えだ。五反野店の初年度の年商目標は約35億円で、将来的には50億円を達成できるような店をめざす。

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