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最新店舗「スーパーセンターオークワ掛川店」にみるオークワの新たなPB戦略

和歌山県を中心に店舗を展開するオークワ(神吉康成社長)。20203月からは既存のプライベートブランド(PB)を一新し、新たに「オークワプレミアム」「オークワマルシェ」「オークワセレクト」の取り扱いを開始した。94日にオープンした最新店舗「スーパーセンターオークワ掛川店」(静岡県掛川市:以下、掛川店)から、同社の新たなPB戦略を解説する

スーパーセンターオークワ掛川店

PBや総菜などの独自商品を強化

 掛川店は、東海道新幹線「掛川」駅に接続する天竜浜名湖鉄道に乗り換え、3つめの「桜木」駅から徒歩約15分の場所に立地する。「パレマルシェ 新所原店」(静岡県湖西市)に続き、静岡県内への出店としては2店舗目だが、スーパーセンター(SuC)業態、「オークワ」の名を冠した店舗としては掛川店が初となる。

 同店では「まず静岡の人にオークワのいいところ、いい商品を知ってもらいたい」(津田悟店長)という考えから、PBや総菜を中心とした独自商品を積極的に導入し、顧客の支持を獲得したい考えだ。

 オークワは203月から3種類の新たなPBの販売を開始している。「オークワプレミアム」は産地や素材・製法においてこだわり抜いた商品で、現在49SKUを展開。「オークワマルシェ」は商品を知り尽くした各部門のバイヤーがおすすめするブランドで、現在44SKUを取り扱う。「オークワセレクト」はオークワとメーカーが共同開発した商品で、現在は酒類の3SKUのみ販売。これら3ブランドに加え、総菜では自社総菜工場の「オーデリカファクトリー」で製造したブランド「O-SOZAi214SKUも展開している。

素材や製法にこだわった総菜

 ここからは、掛川店で展開しているPBのいくつかを写真とともに紹介したい。

 入口から入ってすぐの総菜・ベーカリー売場では、売場各所にPBを差し込んでいる。オークワマルシェの「三元豚のかつ重」(450円:以下、税抜)は、だしの効いたタレをしみ込ませた玉ねぎととんかつに加え、ふわふわの食感にこだわったたまごを組み合わせた商品だ。

三元豚のかつ重

 オークワプレミアムの「紀の国みかんどり使用 塩から揚げ」(100g当たり158円)は、和歌山育ちの「紀の国みかんどり」のむね肉を使用し、味付けにはミネラル豊富な沖縄県産の「ぬちまーす塩」などを活用。隠し味には「紀州有田産ぶどう山椒」を使用するなど、調味料にまでこだわった商品だ。

紀の国みかんどり使用 塩から揚げ

 ベーカリー売場では、オークワプレミアムの「葉とらず林檎のアップルパイ」(498円)を展開。栽培過程で葉をとらないことで糖度を高める「葉とらず栽培」で育った青森県産のりんごを使用しているのが特徴だ。

葉とらず林檎のアップルパイ

 

生鮮や日配品の各売場にもPBを展開

  オークワのPBは総菜やベーカリーだけでなく、生鮮3部門でも展開している。農産売場の「だだちゃ豆」や水産売場の「灰干しさんま」、畜産売場の味付け肉「国産鶏の塩胡椒焼」など、各売場でオークワプレミアム、オークワマルシェの商品を展開しており、POPなどでこだわりポイントを紹介している。

灰干しさんま

 そのほか、日配品では国産小麦を100%使用し、食感にこだわった「国産小麦100%使用 焼きそば」や、奈良県の吉野地方に伝わる伝統製法でつくった「吉野本葛」を混ぜ込んだ「吉野本葛使用 金胡麻とうふ」などを展開。酒類売場では、和歌山県産のオレンジ「清見」の果汁を使用したオレンジリキュールのオークワセレクト「きよみのお酒」を販売している。

吉野本葛使用 金胡麻とうふ
きよみのお酒

 これまで見てきたように、オークワの新たなPBでは産地・素材・製法にこだわり抜いた独自の商品を展開している。また、売場の各所にあるPOPでは各ブランドで統一されたロゴを使用しており、目立つように配置されているためお客の目に留まりやすい。これらの商品の魅力が来店客に伝われば、まだ出店数が少ない静岡県での売上アップにつながるだろう。オークワは3つの新PBO-SOZAiで年内に売上140億円、開発商品数430SKUをめざす考えだ。