プロ以外の顧客の需要も視野に、専門店として充実した品揃えを訴求=ハードストック富士
安全保護具の重要性が高まるカジュアル化の波も
一方、安全靴や作業用手袋、安全帯などの安全保護具の重要性は増しており、商品は進化を続けている。
安全靴についてはワークウエア全般と同様、カジュアル志向が強まっている。武藤店長は、「私自身も店舗の女性スタッフも日常業務で安全靴を履いていますが、見た目には安全靴には見えなく日常生活でも違和感がありません。最近の安全靴が軽くて履き心地がいいことを実感しています」という。
同様のカジュアル志向は消費者の間でも広がっており、普段使いにも使用できるデザインの安全靴の人気が高い。もちろん定められた安全基準に合致していることが大前提だが、スポーツブランドなども売れ筋のひとつとなっている。
同店では、店頭に揃えるデザインのバリエーションだけでなく、サイズのバリエーションの充実にも力を入れている。「小サイズ、特大サイズの商品はそれほど足が早い商品ではありませんが、やはり店頭に置いてあるという安心感が重要だと考えています」(武藤店長)。
一方、作業用手袋は、機能へのニーズが職種や作業内容によって大きく異なる。そのためデザインよりも長く使ってきた使いやすさを重視して商品を選択する傾向が強い。また近年はさまざまな作業に特化した作業シーン別商品が多様に登場しており、それぞれ独自の機能性を訴求することで店頭からの提案力を高めている。
また法改正によって墜落制止用器具についての規制が強化され、作業条件に応じてフルハーネス型の安全帯の着用が義務化されたことにより、安全帯の需要も底堅い。市場では数年前から実際の法施行に先駆けるかたちで新ルールに沿った保護具が選ばれる傾向が出ている。安全確保は企業の社会的責任として重視される傾向がますます高まっており、ハードストック富士でも品揃えを強化している。