スーパー激戦区・和光市の店舗から探る、イトーヨーカ堂の「食」の実力!
コンビニ事業のスピンオフ(分離・独立)をめぐり、株主対立が激化するセブン&アイ・ホールディングス(東京都)。一連の騒動の中で業界関係者の注目を集めているのが、イトーヨーカ堂(東京都)の去就だ。近年は構造改革を進めてきたイトーヨーカ堂だが、売場はどのように変化しているのか。首都圏屈指の激戦区、埼玉県和光市エリアを調査からイトーヨーカ堂の実力を探ってみたい。
調査日=2023年3月21日、4月3、23日
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ヤオコー進出を受けリニューアル?
埼玉県南部に位置する和光市は、東京都心から約15~20kmとアクセスに優れており、自然と都市環境が共存する街として発展を続けている。和光市中心部にある「和光市」駅は東武東上線、東京メトロが乗り入れる埼玉南部における交通の要となっている。
「和光市」駅の南口からほど近い場所にあるのが、「イトーヨーカドー和光店」だ。同店は1994年の開業で、20年以上にわたり、地域No.1店舗として住民に支持されてきた。ただ、同店周辺は近年競争が激化しており、2021年10月にヤオコーの旗艦店舗「ヤオコー和光丸山台店」がオープンしたのは記憶に新しい。直近では、2022年12月に「西友和光市駅前店」が「和光市」駅前に出店。そのほかにもイトーヨーカドー和光店を中心とした2km圏内は、「サミット」「ベルク」「いなげや」など大手チェーンの店舗が多く、まさに激戦区となっている。
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イトーヨーカドー和光店は2021年12月10日に大幅なリニューアルを経て再オープンしている。同年10月、約750mの場所に開業したヤオコー和光丸山台店を踏また対応であるのは間違いない。イトーヨーカ堂とヤオコーは東京都東大和市でも至近で競合しており、イトーヨーカ堂としてはヤオコーの実力は認識していると思われる。ヤオコーのオープンから2カ月も経たないうちに改装オープンに至ったのも、本部、現場の危機感の現れとも言えよう。
開放感あふれる青果、地域一番の精肉!
イトーヨーカドー和光店の食品売場を見ていこう。売場配置は、従来の「部門別バランス型」でなく、“ヤオコー対策”を念頭に置き、自社の特長を打ち出しているようだ。たとえばレジ側から見て左サイドには青果・鮮魚を配置しているが、和日配ゾーンを拡大することで回遊性を高めている。奥側の精肉では、牛肉にこだわり、地域一番をめざいるようだ。冷凍食品にも力を入れており、地域No.1の品揃えで売場を展開していた。
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部門別に売場を見ていくと、駐車場直結の入口近くにある青果売場は歩測で約60坪(歩測)。広いスペースを使い、ゆったりと買物を楽しめる売場となっている。先頭は低めの平台を使って、旬の野菜・果実を価格訴求する「やっちゃば」を展開。「鮮度・品質・お値頃」をコンセプトに、調査日はブロッコリー(158円)、アスパラガス(198円)、タケノコ(598円)などを目玉として販売。レギュラーの平台は6台で、量感がうまく演出されている。商品はサラダ系の商品に力を入れているようだ。
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鮮魚は青果・和日配と連動するかたちで売場を展開しており、壁面では冷凍魚が8尺、塩干が34尺、奥側の壁面50尺で丸物や刺身、切身など、平台2台でタコ、サーモンを配置。「本鮪赤身入り海鮮握り11貫玉子」(980円)、「刺身用まぐろ尽くし(本鮪・めばち鮪入り3点盛)」(980円)など加工品も丁寧な商品づくりが目を引く。全体的に機能的な売場配置となっており、売れ筋をベースとした堅実な商品構成である印象だ。
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精肉売場は奥側壁面約86尺で牛肉・豚肉・鶏肉・ひき肉を配置し、そのほか冷凍肉6尺、加工肉40尺で売場を展開。平場は16尺冷蔵ケース2台を使って、ジャンボパックや催事商品を並べている。調査期間中、3月4週目は「北海道フェア」を行っており、「顔が見えるお肉の熟成はるか和牛」をアピール。4月1週目は「月初の市」として茨城県産の「瑞穂牛」、栃木県産の「とちぎ芳賀牛」を大きく展開。そのほか、国産・輸入の「牛焼肉用盛合せ420g」(1500円)などセット商品にも力を入れている。
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