5年で売上2.4倍の1356億円へ!絶好調ロピアの強さを徹底分析!!

矢野清嗣
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今、首都圏で最も急成長しているスーパーマーケットと聞いてまず思い浮かぶのは、ロピア(神奈川県/高木勇輔社長)ではないだろうか。売上高の伸びは凄まじく、2013年度の560億円から2018度には1356億円にまで拡大。5年間で242%増と、70~80年代の小売業を彷彿させるような、現在では考えられない成長率を示している。ロピアの強さの秘密はどこにあるのか。同社屈指の繁盛店「ロピア ららぽーとTOKYO-BAY店」(千葉県船橋市:以下、TOKYO-BAY店)の売場から探る。

“大型店活性化請負チェーン”

 大型ショッピングセンターの撤退跡への居抜き出店や、大型店活性化の一環としてのテナント出店を得意とするロピア。今年2月にオープンした「平井島忠ホームズ店」(東京都江東区)は、ホームセンターの「島忠ホームズ平井店」の活性化の一環で、4階の駐車場だったスペースを改装して出店した。

 4月オープンの「松戸店」(千葉県松戸市)は旧・伊勢丹跡地、6月オープンの「ワンズモール店」(千葉県千葉市)も総合スーパー「イオン千葉長沼店」の跡地への出店であり、7月に開店した「蘇我島忠ホームズ店」は平井島忠ホームズ店と同様にホームセンター店舗の活性化の一環でテナント出店している。

 このように、ロピアはまさに“大型店活性化請負チェーン”であり、多くの商業施設が同社の出店によって活性化されてきた。大型店跡地や売場面積縮小後に空いた広大なスペースを埋め、お客を呼び込めるチェーンは、現状ではロピア以外にいないのではないだろうか。ロピアは今後もこのスタイルの出店を踏襲する可能性が高く、小売やデベロッパーからの要望も増えていくと思われる。

ロピア
ロピアは大型ショッピングセンターの撤退跡への居抜き出店を得意とする

“イオン対策”としてロピアを誘致!

 ロピアの強さを探るため、同社屈指の超繁盛店「TOKYO-BAY店」を訪ねてみた。同店が入居するショッピングセンター「ららぽーとTOKYO-BAY」は38年前の1981年4月の開業。日本の大型ショッピングセンターの先駆け的存在で、年間約2500万人が来店すると言われている。

 ロピアが出店したのは2013年2月。同年はこのショッピングセンターにとっては、ターニングポイントとなる年でもあった。クルマで約10~15分の距離に大型ショッピングセンター「イオンモール幕張新都市」が開業したからである。

 そこでららぽーとは、“イオン対策”として西館にあった旧・そごう跡地を新たに建設し、西の核テナントとしてロピアを誘致、TOKYO-BAY店の出店に至った。この選択はロピアにとっても正しかったようで、同店は週末のピ―クには19台のレジがフル稼働しても長蛇の列ができるほどの超繁盛店に成長していく。

 実際に売場を見ていこう。ロピアの店舗は、青果・鮮魚・精肉からなる生鮮ゾーンと総菜売場をどこに配置させるかが店舗によって異なる。TOKYO-BAY店は総菜を生鮮と分離した配置になっている。

 メーン入口から順に見ていく。青果は精肉に次ぐ重点部門の位置付けで、旬と価格を重視した売場となっている。入口の平台では「バナナ」「キウイ」「オレンジ」などの輸入果実と、「サクランボ」「ハウスみかん」「メロン」「スイカ」といった旬の果実を陳列。野菜では「トマト」を重点的に売り込んでおり、「プチトマト」「パック」「箱入」などバラエティに富んだラインアップとなっている。価格訴求商品としては、「レタス」「キャベツ」「とうもろこし」(各1個99円)と、「大根」(1本107円)、「もやし200g」(1袋19円)などの安さが際立つ。

TOKYO-BAY店の売場レイアウト
TOKYO-BAY店の売場レイアウト

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ロピアの看板部門、精肉売場を解説

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