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ヨークマートもねの里店で完成した「新しいフォーマット」をいち早く公開!

ヨークマート(東京都/大竹正人社長)は417日、千葉県四街道市に「ヨークマートもねの里店」(以下、もねの里店)をオープンした。同社80店舗目の出店であり、もねの里店は社長曰く「新しいフォーマットの完成形」。今までメディア露出があまりなかったヨークマートだが、今回は大竹社長自らメディア向けの説明会に出席するほどの力の入れようだ。果たして、その“完成形”の中身とは――。

ヨークベニマル式の食提案型売場レイアウトを導入

 「新しいフォーマットの完成形」とヨークマートの大竹正人社長が評するもねの里店の売場には、173月にオープンした「ハレノテラス東大宮店」(埼玉県さいたま市)から導入してきたさまざまな取り組みの集大成が詰まっている。

 ヨークマートは同じセブン&アイ・ホールディングス(東京都/井坂隆一社長)傘下のヨークベニマル(福島県/真船幸夫社長)と「食品スーパー事業統合」を進めてきた。その一環として、もねの里店ではヨークベニマル式の食提案型売場レイアウトを採用。精肉売場のそばにワインやチーズを配置するなど、関連販売を強化している。また、冷総菜の約3割はヨークベニマル傘下の総菜製造・販売企業、ライフフーズ(福島県/松崎久美社長)から仕入れた商品だ。

 

総菜部門で取り入れた4つの新MD

 ヨークベニマルのノウハウを取り入れるだけでなく、ヨークマートは自社オリジナルの商品政策(MD)にも取り組んでいる。具体的には、「ハレノテラス東大宮店」から導入している「魚総菜」「手作りデザート」「手作りサラダ」「窯焼きピッツァ」の4つの展開を強化した。

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4つの展開、その具体的な売場づくりをビジュアル解説

鮮魚売場の新鮮な魚を使って作ったフライ

 「魚総菜」は鮮魚売場脇の「お魚屋さんのお惣菜」というコーナーで展開しており、近海で捕れた新鮮な魚を使って調理したアジフライや白身フライ、煮魚や弁当を品揃えする。総菜売場で展開している「手作りデザート」「手作りサラダ」は青果売場の野菜・果物を使用。「マスカルポーネチーズのベリータルト」「いちごのプリンアラモード」「アボカドとチキンの彩りサラダ」などを販売している。「窯焼きピッツァ」はインストアベーカリーの専用窯を使用。約500度の高温で焼き上げたピザは、外はサックリ、中はモチモチの食感が特徴だ。「マルゲリータピッツァ」「照焼きチキンピッツァ」「クワトロチーズピッツァ」など種類も豊富。ハーフサイズも用意し、買いやすくなっている。

専用窯で調理した焼き立ての「窯焼きピッツァ」

 「これらの手づくり商品は手間がかかるし利益はあまり出ないが、お客さまからの評判は想像以上に良い。かつて多くの食品スーパーでは牛乳や卵といったコモディティ商品の価格の低さで集客していたが、最近では集客方法が変化したと感じている。現在では低価格のコモディティ商品ではなく、手間がかかっても来店動機になるような独自商品を開発することが集客を増やすうえでの重要な要素になる」と大竹社長は説明する。

 さらに、大竹社長はイートインについての考えも次のように語った。「ヨークマートでは以前に3店でグローサラントに挑戦したが、バイオーダーでの提供は難しいと判断した。とくにピザについては待ち時間が長く、お客さまからの評判も良くなかった。しばらくは店内で購入した総菜やパンをイートインで食べてもらうスタイルを続けるつもりだ」。

合計38席のイートイン。「セブンカフェ」も併設する

 もねの里店で完成した「新しいフォーマット」は既存店や今後の新店舗に導入する予定だ。「202月期は既存店の活性化に注力し、600坪サイズの大型店5店舗のリニューアルを実施する。小型店においても上期中に1店舗は改装し、新MDをできる限り導入した店舗をオープンしたい」と大竹社長は意気込みを語る。「新しいフォーマット」をうまく生かし他店舗に展開することができるのか。今後のヨークマートに注目だ。

※ダイヤモンド・チェーンストア5月15日号ではこのもねの里店の売場づくりを徹底解剖!大竹正人社長のインタビューを含め、掲載します。お楽しみに!