イオンのビオセボン(オーガニック食品スーパー)の店舗戦略
BCB社(フランス)と連携し日本のオーガニック市場開拓に向けてイオンが成長加速へ
店舗数を8店まで広げたビオセボン・ジャポン。同社は20年までに数十店舗体制を構築するという目標を明らかにしており、19年も18年と同等数の出店をしたいとしている。
18年はさまざまな立地に出店したが、今後の出店地の条件として土屋社長は、①住宅立地、②店舗周辺に子育て世代が多い、③来店客の「感度が高い」エリアの3つを挙げている。理想の売場面積は60~100坪で、これらの条件を満たしていれば、路面店だけでなく、ショッピングセンターをはじめ他社の商業施設への出店にも前向きだ。
同年12月、イオンは本国フランスのBCB社へ出資することを発表した。店舗数を拡大すると同時に、BCB社の商品開発力やバリューチェーン、I T、物流などのノウハウを取り入れ、ビオセボン・ジャポンの成長を加速させるねらいだ。
土屋社長がとくに期待を寄せるのは、BCB社の商品調達力と、先進的な在庫管理システムだ。
商品調達では、現在フランスからの直輸入商品は約800品目まで増えている。資本関係を結びBCB社のより厚いサポートを受けることで日本のニーズに即したラインアップに磨きをかける。また商品開発についても連携を図っていくという。
在庫管理システムでは、発注予測精度の高さに定評がある先進的なBCB社のノウハウを取り入れることで、人手をかけずに店頭での品切れなどを低減させる。そうして浮いた人時を、店頭での試食販売や、生産者を招いたイベントの開催など、オーガニック商品の魅力を知ってもらうための接客に充てていきたい考えだ。
日本のオーガニック市場開拓に向けて、イオンが大きく動き出している。
トップインタビュー
ビオセボン・ジャポン 社長 土谷美津子 「ふだん使い」確立し、オーガニック食品市場を拡大させる
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