ルルレモン、2年半ぶりの新店「青山店」オープン 世界初の取り組みと男性顧客増加の理由とは
コロナ禍の逆風と追い風
これまで商品の卸販売を行わず、顧客とのリアルなつながりを重視してきたルルレモンにとって、コロナ禍は当然、強烈な逆風となった。その中で、思わぬ追い風もあった。
もともと、ヨガウエアブランドとしてスタートしたルルレモンのウエアは、「呼吸を邪魔せず伸縮性に優れた、圧倒的な着心地」に定評がある。この「リラックスでき、きれいに見える点」が、コロナ禍の在宅ワークウエアの需要に完全にマッチ。特に六本木ヒルズ店を中心にメンズの売上が伸びた。
さらに、ステイホーム期間には自宅でヨガやピラティスを行う人や、屋外でできるランニングに取り組む人が急増。スポーツウエアの販売増にもつながった。
繰り返し同じアイテムを購入するリピーターも多いため、コロナ禍で強化したオンライン販売も好調だ。コロナ禍が落ち着きを見せた際の旅行需要も、しわになりにくく速乾性の高い同社のウエアには追い風となっている。
2023年には、東京都内を中心に中規模の直営店を数店舗出店予定だという。スポーツウエア販売の枠を超える数々の取り組みは、日ごろ運動不足の身から見ても、「楽しそうで、つい体を動かしたくなる仕掛け」が満載だった。