コスメ好調のロフト、“限定”“先行”商品を集められる理由とは

北野 裕子(ダイヤモンド・チェーンストア編集部)
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文房具からインテリアまで、生活雑貨を幅広く扱うロフト(東京都/安藤公基社長)が、近年はコスメ販売で存在感を発揮している。ロフト独自の品揃えや企画が支持を集め、売場では先行商品や限定商品も目立つ。トレンドの変化が激しいコスメ分野において、コスメ用品を含む健康雑貨の売上は右肩上がりに伸びているロフト。同社はどのようにお客の心をつかんでいるのか。

2024年10~11月にかけて開催された「ロフトKコスメフェスティバル2024AW」。写真は渋谷ロフト(東京都渋谷区)

独自の企画や品揃えで認知度高める

 ロフトがコスメ販売を強化しはじめたのは、約10年前のことだ。「『ロフトで化粧品を取り扱っている』イメージが消費者に持たれていない状況を変えたいと思った」。コスメを含む同社の商品本部で「健康雑貨」を統括する健康雑貨部の執行役員部長 山本修史氏は、当時をそう振り返る。

 認知度を高めるために、施策の一つとして取り入れたのがデジタルの活用だった。当時はまだ全盛期ではなかったSNSを活用しながら、リアルとオンラインをつなげたイベントを行ったり、情報発信を強化。そうしたなかで、ロフトが注目するコスメを一堂に集める人気企画「ロフトコスメフェスティバル」といった今や定番となった企画も生まれた。

 2014年に誕生した「ロフトアプリ」の役割も大きい。顧客に直接情報発信ができるようになったほか、アプリのユーザーにはコスメ用品のサンプルを配るなど、来店動機を生む施策が続々と生まれた。

韓国、日本で人気のブランド「fwee」(撮影は2024年11月時点)

 そうした企画と並行して、商品の選定力も磨いた。ロフトが扱うコスメは、百貨店とドラッグストアの間のバラエティショップの位置付け、いわゆる中価格帯の商品が主となる。

 「規模が大きいドラッグストアや総合スーパーとは同じ土俵で勝負しない。そことは違った商品を探すように、バイヤーには厳しく伝えている」(山本氏)。他店にはまだ並んでいない商品を、まずロフトから販売する──。その認識のもとで探し出した品揃えとイベントなどの施策により、認知度が高まり、メーカー側から商品の先行販売や、ロフト限定の色展開など声がかかるようになったという。

「ロフト先行発売」の化粧品。写真は渋谷ロフト(撮影は2024年11月時点)

 商品部健康雑貨部の企画を手がける田中勇氏は「10年間続けるなかで、メーカー側にもロフトで販売するメリットを感じてもらえるようになった。ただ店頭に商品を並べるのではなく、今ではメーカーやクリエイターと協力する仕組みができている」と語る。実績を積み上げたことで入手できる情報量も増え、「先手を打ちやすくなった」(田中氏)。現在は年間14企画とイベントを11回行う売出計画をもとにメーカー側と商品展開、企画について協議しているという。

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