最新店舗「ヤオコー八王子鑓水店」に見る、“買いたくなる”商品づくりの妙

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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見た目と品質を両立したヤオコーの商品づくり

 ヤオコーの新商品、とくに総菜やベーカリーを見ていると、トレンドやニーズを意識していることはもちろん、つい買いたくなるような見栄えのよさにこだわっていることがわかる。また、商品そのものだけでなく、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)にも注力しており、たとえば八王子鑓水店の青果売場では、色の異なるぶどうやマスカットを交互に並べ、カラーリングを意識した華やかな売場を構築していた。

VMDにこだわった青果売場
VMDにこだわった青果売場

 もちろんヤオコーの場合、見た目だけでなく味や品質のレベルも高い。筆者は今回の取材後に前述の「スパイシーケバブバーガー」と「スイーツデニッシュ」を購入し食べてみたが、前者はパルメザンチーズのかかったバンズに鶏もも肉と野菜を挟み、ケイジャンソースとオーロラソースの味付けがやみつきになる、食後の満足感が高い商品だった。後者はフルーツの酸味とデニッシュやクリームの甘さがマッチした品質の高いスイーツだった。

 新商品をお客に購入してもらううえで、「おいしそうに見える」ことは購買意欲をかき立てる重要な要素の1つだ。ヤオコーの店舗を訪れるたびに、その徹底ぶりに驚かされる。食品小売業界では業態を越えた競争が激しさを増しているうえに、最近では値上げが続き、消費者の財布の紐が固くなっている。こうしたなか、お客の関心を惹く商品や売場の重要性はますます高まっている。ヤオコーの思わず“買いたくなる”商品づくり・売場づくりに学ぶところは多い。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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