GMSの理想像? ヨークベニマルの注目旗艦店「西ノ内店」を専門家が徹底分析

解説:丹羽俊雅

「創業の地・郡山で、われわれができることのすべてを出し切った店だ。2店舗目はできない」──。ヨークベニマル(福島県)の大髙耕一路社長がそう語る同社の新たな旗艦店「西ノ内店」が、25年2月に開業してから約5カ月がたつ。年商目標は42億7000万円。

売場には同社の新たな挑戦が随所にちりばめられており、その内容は総合スーパー(GMS)の今後を考えるうえでも示唆に富む。本稿では、西ノ内店の売場づくりや商品政策(MD)をひも解きながら、GMSのめざすべき姿を問い直す。

ハレからケまで幅広い需要に対応

 西ノ内店は、旧イトーヨーカドー郡山店の跡地を再開発して誕生した複合商業施設「ヨークパーク」の核店舗として2月28日にオープンした。最寄りのJR「郡山」駅からクルマで10分ほどの距離にあり、幹線道路に面するアクセスのよい立地にある。

 売場構成は、1階に食品、2階に直営の衣料品を展開するGMS店舗。ヨークパーク内には西ノ内店に加え、同じヨーク・ホールディングス(東京都/石橋誠一郎社長)の「ロフト」「アカチャンホンポ」のほか、「ユニクロ」「DAISO」など集客力の高いテナントが出店している。

ヨークベニマル西ノ内店外観
ヨークベニマル西ノ内店
●オープン日: 2025年2月28日
●所在地: 〒963-8022 福島県郡山市西ノ内2-11-40
●店長: 吉田恒男
●年商目標: 42億7000万円
●営業時間: 食品売場9:30~21:00、衣料品売場10:00~20:00
●売場面積: 食品売場2942㎡、衣料品売場1616㎡
●従業員数: 正社員21人、パート・アルバイト184人

 店舗周辺は住宅地が広がり、市内でも比較的所得の高い層が多く住まうエリアだ。西ノ内店では広域からの集客を見込み、ハレからケまで地域の需要に対応する商品を扱う。

 実際に食品売場に足を踏み入れると、日常使いのアイテムから、高品質なものや他店ではなかなか見られない珍しい商品まで幅広く揃えており、まさにGMSらしい店舗である。

 売場を順に詳しく見ていく。まず青果で目を引いたのは、やはり品揃えの豊富さだ。果実は、いちごやスイカといった定番商品から、南国フルーツなどの珍しいものまで幅広く扱う。野菜は平台で定番商品を並べる一方で、

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