トライアルの商品戦略 生鮮、総菜、PBで進む付加価値型商品づくりとは
スーパーセンター(SuC)を主力フォーマットに全国で店舗網を広げるトライアルホールディングス(福岡県/亀田晃一社長:以下、トライアル)。近年は生鮮や総菜の品質向上がめざましく、各地で高い集客力と競争力を示している。そうした同社の成長を支える、トライアルの最新商品戦略をレポートする。
外部業者と密に連携し、品質を追求する生鮮
今年7月初旬、トライアルは福岡市内にある本社内でメディア向けに「商品試食会」を開催した。複数のプライベートブランド(PB)商品のほか、生鮮食品・総菜のオリジナル商品について、開発担当者や生産業者による商品説明が行われた。
トライアルは近年、生鮮・総菜を中心に商品の品質が飛躍的に向上しており、業界内の注目度も高まっている。九州地盤のある食品スーパーの幹部は「以前はディスカウントストア然とした印象だったが、気がついたら食品の品質や品揃えがまったくもって変わっていた」と驚きを隠さない。そうした変化は消費者にも伝わっており、とくに最新の商品政策(MD)が導入された新店や改装店の集客力は高い。
では、トライアルはどのような商品価値を提供し、競合との差別化を図っているのか。試食会で取り上げられた商品をもとに見ていこう。
土用の丑の日を控えていたこともあり、まず紹介されたのがウナギだ。トライアルでは「鹿児島県産 旨水(うまみ)の鰻」を主力商品として、各店舗で訴求している。同商品を生産しているのは、鹿児島県大崎町にある養鰻場。商品名にある“旨水”のとおり、シラス台地でろ過された水質のよい地下水を使って養殖するため、ウナギに臭みがないのが特徴だ。

素材だけでなく、調理方法にもこだわった。炭火を使って焼き上げたものを急速冷凍して旨味を閉じ込め、タレは九州地方では圧倒的な支持を集めるフンドーキン醬油(大分県)の「木樽醤油」をブレンドしたものを使用。生産を手掛ける山田水産(大分県)の山田信太郎社長も、「専門店に近い仕上がりになった」と胸を張る。
生鮮ではもう1つ、チリ産の
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