漬物・キムチ市場、米食回帰で堅調に推移、メニュー提案で利用シーンを広げる

石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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漬物全体とキムチカテゴリーの金額PI月別推移

料理素材としての提案、季節商品の訴求を強化

 少子高齢化による世帯人数の減少や食の洋食化などから若年層を中心に漬物離れが緩やかに進行していたが、コロナ禍以降は内食機会の増加に伴い漬物を手に取る人が増えている。とくに小麦を含めた食料価格の高騰を受け、価格が安定している米を主食として選ぶ家庭も増えており、ご飯のお供としての漬物の喫食機会は増えていきそうだ。

 キムチはそのまま食べるだけでなく、キムチ鍋や炒め物に使うなど、料理への汎用性の高さでも人気がある。今後、漬物カテゴリー全体を再活性化させていくためには、おにぎりやチャーハンの具材として使うなど、キムチのようなさまざまなメニュー提案を行うことで利用機会を増やすことが必要だろう。

 たとえばマルハチの「山形のだし」は冷ややっこや麺類のトッピングとしても重宝され、豆腐売場など多箇所展開している店舗も多い。とくに食べきりサイズの個食パックは少人数世帯でも手に取りやすく、あっさりした味付けでご飯と一緒に野菜がしっかり食べられると幅広い年代に支持されている。

 漬物はロングセラーブランドが多く商品の入れ替えも比較的少ないが、野菜の旬に合わせたエクステンションや季節限定品も展開されている。

 定番商品のラインアップに加え、季節商品の紹介や料理へのアレンジレシピ、関連販売などで気づきを与え、漬物売場への立ち寄りを促していきたい。

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