漬物・キムチ市場、米食回帰で堅調に推移、メニュー提案で利用シーンを広げる
漬物はコロナ禍による内食機会の増加により好調に推移していたが、2022年に入ってからは成長が鈍化している。小麦価格の高騰による米食回帰が注目されるなか、ご飯のお供としての提案だけでなく、料理素材としてのレシピ提案も消費者に響きそうだ。
前年の反動で微減するも、秋以降は回復基調
KSP-POSデータによると、2022年1月から12月の漬物カテゴリー全体の期間通算金額PIは対前年同期比2.9%減の2万820円、数量PIは同3.6%減の101.6と、金額・数量ともに微減となった。月別で見ると前年の反動を受け22年1月から10月は前年割れが続いたが、11月は前年並み、12月には同2.3%増とプラスに転じた【図表】。
また「キムチ」カテゴリーの期間通算金額PIも同5.5%減の5762円、数量PIは同5.2%減の25.48と金額・数量ともに減少している。こちらも1月から9月までは前年割れの厳しい状況が続いたが、10月以降は回復基調にある。
食品需給研究センターの「食品製造業の生産動向調査」によると、21年の漬物の生産量は対前年比5.1%増の81万6627トンとなった。なかでもキムチは同13.9%増、しょうが漬は同11.2%増、たくあん漬は同13.1%増の大幅伸長となったほか、みそ漬類(同9.8%増)、醤油漬類(同7.8%増)、奈良漬(同7.0%増)も好調に推移している。
しかし、22年に入ってからは好調だったサブカテゴリーについても前年割れの月が少なからず見られ、4年連続の成長が続いた漬物全体の生産量もここにきて鈍化するとみられる。