物価高で存在感急拡大! 加盟店売場から見た「CGC商品」の底力とは
物価高の中、とくにローカルを本拠とする食品スーパー(SM)の間で存在感を高めているプライベートブランド(PB)がある。CGCグループ(東京都/堀内淳弘代表)が展開する共通PB「CGC商品」だ。
物価高の中、CGCグループに多く加盟する中堅・中小SMがどのようにCGC商品を活用しているのか。本誌おなじみの売場・商品の専門家、KTMプラニングR代表取締役の海蔵寺りかこ氏とともに、CGCグループに加盟する関東2チェーンの売場を調査した。
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企業規模で異なるCGC商品の「位置づけ」
CGCグループの加盟企業は202社、加盟企業の総売上高は5兆2404億円、総店舗数は4461店におよぶ(2025年3月1日時点)。少し古いデータとなるが、24年2月期の商品取扱高は1兆984億円。PB売上高は公開されていないものの、「セブンプレミアム」「トップバリュ」に次ぐ、国内PB3番手につけるといわれている。
加盟企業との共同開発商品は約1900品目。ラインアップは生鮮品や総菜から日配品、加工食品まで多岐にわたる。
今回の調査では、CGCグループの加盟企業であるタイヨー(茨城県/森田剛社長)の「ビッグハウス取手戸頭店」(茨城県取手市)と、ランドロームジャパン(千葉県/村越淳司社長:以下、ランドローム)が運営する「ランドロームフードマーケット沼南店」(千葉県柏市)の2店舗を訪ねた。
売上高はタイヨーが1426億円(24年9月期実績)、ランドロームが273億円(24年6月期実績)。規模の異なる2チェーンがどのようにCGC商品を活用しているのかを見ていこう。

●所在地: 茨城県取手市戸頭8‐1‐1
●営業時間: 8:00~21:00
●アクセス: 関東鉄道常総線「戸頭」駅からクルマで約5分
両店の売場を比較してまず気づいたのは、それぞれCGC商品の品揃えが大きく異なるという点だ。タイヨーはベースとなる品揃えは自社マーチャンダイジング(MD)とし、自社PBを差し込みつつ足りない部分を補完するようなかたちでCGC商品を入れていた。
一方、ランドロームは、CGC商品でベースの品揃えを構築し、生鮮・総菜といった自社の強みを出せる領域を自社MDとしていた。
現状の人手不足の中、各社はマーチャンダイザーに十分な人員を配置することさえ難しくなりつつある。とくにランドロームのような中小規模ではその傾向が強いであろう。かといって、ナショナルブランド(NB)商品中心の品揃えでは差別化が難しいため、CGC商品を品揃えのベースに据えているのだろう。

●所在地: 千葉県柏市大井1885-1
●営業時間: 9:00~21:00
●アクセス: JR東日本、東武鉄道「柏」駅からクルマで約13分
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品揃えだけでなく、価格設定も異なっていた。たとえば、
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