スーパーに卸売りする理由は? 「オーガニックはまち」の養殖でくら寿司がめざすものとは

2021/05/14 05:55
    若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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    今年3月、回転寿司チェーンのくら寿司(大阪府/田中邦彦社長)は、20年7月から養殖を行ってきた「オーガニックはまち」が、国際的基準に合致した「オーガニック水産物」として日本で初めて認証を受けたと発表した。日本ではまだ馴染みのない「オーガニック水産物」とは何なのか、くら寿司が「オーガニックはまち」の養殖を手がける理由は何か、同社広報の黒見繭氏に話を聞いた。

    水産物にも広がるオーガニック

     くら寿司は、1977年に大阪府堺市で創業した回転寿司チェーン。創業当初は持ち帰り寿司専門店だったが84年に回転寿司へ業態転換、4大添加物(化学調味料、人工甘味料、合成着色料、人工保存料)の不使用や、食べ終わった寿司皿で景品つきゲームが楽しめる「ビッくらポン」などのユニークな取り組みで人気を集めている。
     「オーガニックはまち」とは、天然由来の飼料を使用し、魚にストレスを与えない環境で育てられた養殖はまちで、くら寿司がこの養殖を開始したきっかけは、18年に政府が農林水産物の国際競争力強化の方針を発表したことにある。とくに海外では一般的に流通している、「オーガニック水産物」を日本でも生産・輸出するため、国際的基準を満たす「有機(オーガニック)水産物養殖及び加工」の認証資格が新たに設けられた。これはオーガニック水産物の国内初の正式な規格で、くら寿司は「オーガニックはまち」でこの国内第一号認定を受けた。これにより、オーガニックを海外進出時のアピールとするほか、社是である「食の安心安全」に関する取り組みをより強化したいねらいだ。

    「有機(オーガニック)水産物養殖及び加工」の国内第一号認定を受けた「オーガニックはまち」

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