アクアペット市場、コロナ禍で60㎝の大型水槽が伸長!掃除用品や照明などの関連商品も好調
ジェックス、コロナ禍で変化するニーズに対応した商品ラインアップで市場拡大をめざす
近年、付加価値型の商品開発やインテリアアクアリウムの提案を力強く推進してきたジェックス。コロナ禍でその方向性の正しさを再確認した同社は、変化するユーザーニーズに対応した商品開発・提案でさらなる市場活性化を図る考えだ。
コロナ禍で変化するユーザーニーズに合致
新型コロナウイルス感染拡大による生活者のライフスタイルの変化は、アクアペットカテゴリーにも大きな影響を及ぼした。縁日やイベントがことごとく中止となり、金魚すくいの機会も激減。一方で、家で過ごす時間が長くなったことから、新規飼育者が流入して、マーケットは拡大した。
そうしたなか、ジェックスはコロナ禍で需給のバランスが大きく乱れる環境下でも、自社工場の稼働を落とさず、商品の安定供給に尽力。従来取り組んできたユーザーニーズを反映した水槽セットの販売を強化し、フィルターなど電気製品を含めて幅広い品揃えを提案することで、前期の数字につながったとみている。
「2021年はアクアリウムマーケットにおいては昨年飼育を開始した人の買い替え、買い足し需要、またそのような人に影響を受けて今年始める人など、まだまだ拡大傾向が続くとみています。しかし、これまでと違うのは、金魚すくいで飼育する和金ではなく、琉金やらんちゅうなど、お店で選んで自らの意思で飼育を始める傾向や、熱帯魚や水草も、人それぞれの楽しみ方、魅せ方をしたいというニーズが顕在化していくなかで、商品やブランドに対しての目がより厳しくなるはずです。そうしたユーザーの期待にしっかりと品質とアイデアで応えていきたいと思います」(同社五味宏樹社長)。
わかりやすい選びやすい水槽売場を提案
ジェックスでは、コロナ禍を経てアクアリウムのトレンドが顕在化し、「イエナカ需要≒インテリア≒こだわり」になってきており、新規飼育者でも価格よりも価値を訴求するユーザーが増えていると分析。「今期は、そうした〝こだわり”をより細分化(=「静音」「お手入れ簡単」「水換え簡単」「奥行スリム=場所を選ばない」)し、お客様にわかりやすい水槽売場づくりを提案することで、より付加価値の高いものをお客様に手に取りやすくしていきたいと思っています」(五味社長)。業界初の試みとして、フィルターのフレーム部にバイオマスプラスチックを採用した外掛け式フィルターマット「ダブルパワーマット」を投入。関心が高まるSDGsへの対応も進める。
新規顧客獲得に向けた多彩な取り組み
観賞魚飼育のハードルを下げる、新規ユーザーの取り込み策として行った同社の小型容器の提案は、昨年高い評価を得た。今期は、小型容器に「水流がつくれない」という悩みを解決した、流量調整機能を持つ超小型フィルター「Picoroka(ピコロカ)」をはじめとしたユーザーニーズに合わせた周辺用品の提案をさらに強化し、市場拡大をめざす。
また、コロナ禍で金魚の生体入手方法が、金魚すくいという受動的なものから店頭での購入という能動的なものにシフトしたことに着目。金魚に愛情を持ち、大切に育てて長生きをさせたいと考える飼育者に向けた「金魚元気 やさしいプロバイオフード」を発売する。クエン酸を配合し、腸内のpHを酸性にすることで、腸内細菌の働きを助け、消化をサポートする。
同社では「昨年来ホームセンターにも新しいお客様が来られる機会が増えていますので、これまで観賞魚を飼育する機会のなかったお客様にもきっと喜ばれる〝新しい商品”をこれからも提案し、『ホームセンターにもこんなに面白い商品があるんだ!』と来店機会につながるような売場提案を行うことで、市場のさらなる活性化につなげていきたい」(五味社長)としている。