アクアペット市場、コロナ禍で60㎝の大型水槽が伸長!掃除用品や照明などの関連商品も好調

ダイヤモンド・チェーンストア」編集部 石山真紀
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アクアペットカテゴリーの市場はコロナ禍の影響で在宅時間が増えたことにより、エントリー、奥行きともに広がりが見える。とくに水槽はこれまで30〜45㎝の小型・中型タイプが主力だったが、60㎝の大型タイプが伸長するなど新たな動きも見られている。

自宅で過ごす時間が増えたことで新規ユーザーが流入

「第56回JAPAN DIY HOMNECENTER SHOW 2020 ONLINE」でジャペルが提案した「アクアリウムパーテーション」
水槽をパーテーションに見立てた癒やしの「アクアリウムパーテーション」

 アクアペットのカテゴリーは金魚や熱帯魚といった生体をはじめ、水槽類やフィルター、水草、えさ、照明やエアーポンプなど多岐にわたるが、新型コロナウイルスの感染拡大による生活者のライフスタイルの変化は、同カテゴリーにも大きな影響を及ぼしている。

 ジャペル調べによると2020年のホームセンター(HC)業態の観賞魚市場は、前年対比で7%の増加となった。緊急事態宣言中は多くのHCで生体販売を自粛しており4月は大きなマイナスとなったが、宣言解除後の6月は単月で前年比36%増の大幅伸長となっている。

 コロナ禍のアクアペット市場好調の要因として、給付金支給などの影響もあるが、コロナ禍での外出自粛に伴うストレスから、新たな趣味や癒やしとして観賞魚を飼いたいという新規ユーザーが流入したことが大きい。さらに既存のユーザーについても、水槽を新しいものに買い替えたり、照明やフィルターを性能のよいものに交換したりといった動きが加速している。とくに水槽については、近年、デスクなどにも置ける30〜45㎝の小型・中型タイプが主流となっていたが、コロナ禍以降60㎝以上の大型タイプが非常に伸びている。

 次に生体別で見ていくと、和金を中心とした金魚は、20年はコロナ禍の影響によって縁日やイベントがことごとく中止となり、同カテゴリーは大きく落ち込んだ。

 一方、熱帯魚は飼育が難しくハードルが高いことから近年は敬遠されがちだったが、コロナ禍により自宅でゆっくりと育てる時間ができたことから、海水魚も含め大幅に伸長。また、メダカについては取り扱いも容易であることから、引き続き好調に推移している。

水槽の多箇所設置で来店客に気づきを与える

「第56回JAPAN DIY HOMNECENTER SHOW 2020 ONLINE」でジャペルが行った、新しいタイプの金魚すくい
若い世代を呼び込み観賞魚飼育のきっかけづくりに貢献する新しいタイプの金魚すくい

 近年伸びているのが、水草を絡めたインテリアとしての提案だ。コロナ禍以降、生体だけでなく水草関係も好調に推移。大型の水槽が動くようになったことで砂利や流木といったオーナメント類の使用量も増え、同カテゴリーも大きく伸長している。

 ジャペルでは昨年の「第56回JAPAN DIY HOMNECENTER SHOW 2020 ONLINE」にて水槽をパーテーションに見立て癒やし空間を創造する「アクアリウムパーテーション」を提案。作業工程や資材・商品等を動画投稿サイトで公開している。

 また、若い世代に興味を持ってもらえるよう、カフェスタイルでの金魚すくいを集客・憩いの場として提案していく考えだ。

 コロナ禍による外出自粛およびテレワークの推進等の影響はしばらく続くとみられ、観賞魚飼育についてもまだまだ伸びるチャンスがある。HCは、ライフスタイルに合わせたトータル提案がしやすい環境であることから、家具売場やカウンターなど多箇所にアクアリウムを展示することで来店客に気づきを与え、観賞魚市場の拡大につなげていきたい。

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