2020年10月14〜16日、「国際ガーデンEXPO(第14回)」が、「ツールジャパン(第10回)」「国際農業資材EXPO(第10回) (農業Week2020)」と併設するかたちで、千葉の幕張メッセにて開催された。来場者数は3日間で2万3175人(重複なしで計算)と、コロナ禍にあってもガーデニングへの注目度は高く、会場は盛況だった。
カインズ高家社長のセミナーも開催
今年の「国際ガーデンEXPO」は、新型コロナ禍の影響で、出展を見合わせるところもあった。一方、巣ごもり需要などを背景に業界が好調なことを受け、小売関係者は展示会をきっかけに、実際に商品を見て、メーカー担当者とじかに商談を行いたいと、多くが来場した。
会場ではセミナーも開催され、小売業からはカインズ代表取締役社長の高家正行氏、オザキフラワーパーク代表取締役社長の尾崎明弘氏が登壇した。高家社長は、「新しい生活様式」におけるカインズのIT小売業としての取り組み、災害大国日本においてホームセンター(HC)が果たすべき生活インフラとしての機能と、エモーショナルな買物体験の提供などについて講演した。
出展社は、新型コロナ禍で顕在化した巣ごもり需要を来春にもつなげようと、革新的な商品の展開を行った。会場で見つけた注目商品を紹介する。
園芸資材編
アース製薬は、2021年のシーズンに向けて、ムカデ専用剤「ムカデよけ撃滅 置くタイプ」「ムカデ取り撃滅 捕獲器」「ムカデ撃滅」(スプレータイプ)の3アイテムを提案した。同社によると、ムカデ専用剤市場はこの数年、年平均成長率が5・8%増で拡大しており、20年1~7月は対前年同期比で23・6%増と大きく伸びているという。
フマキラーは、カダン®お庭の虫キラーシリーズから、不快害虫が来そうなところに置くだけの「カダン®お庭の虫キラー誘引捕獲器」を提案した。殺虫剤を使用しておらず、畑や花壇、芝生などに安心して使える。カダン®お庭の虫キラーシリーズの20年度の販売実績は前年度比で2倍の売れ行きだという。
グリーンプランは、「木酢入り 花と野菜の土」「酵素入り 花と野菜の土」を展示した。「花と野菜の土」は有用菌の働きで根張りをよくするのが特徴。「花と野菜の土」は酵素、ミネラル、納豆菌の3要素で植物を元気に育てる。同社は、今後はHCにも販路を広げたいとしている。
道工具・作業用品編
工機ホールディングスは2020年10月、電動工具ブランド「HiKOKI(ハイコーキ)」からコードレスインパクトドライバの新製品「WH36DC」を発売した。最大の特徴は、トリガーフィーリング(操作感)と外観デザインを自分の好みやスタイルに合わせてカスタマイズできる点だ。専用のスマートフォンアプリで操作感をカスタマイズし、作業シーンに合わせた最適なモードで使用できる。
マキタは、18V園芸工具シリーズの提案を来春も強化する。展示会で展示したのは今年発売した「充電式ポールヘッジトリマー」「片刃式ヘッジトリマー」など。なお、同社のリチウムイオンバッテリーを搭載した「充電式保冷温庫」も提案した。同商品は、新型コロナ禍で今年最もよく売れた商品の1つだ。
シンワ測定は今秋、「積算温度計 防水型」を発売。家庭菜園向けに来シーズン、提案していく。積算温度は、日々の平均気温を一定の期間で合計したもの。これにより、農作物の適切な収穫時期の目安を測ることができる。
山善は、ナカトミが製造するパワー工具「ドリームパワー」シリーズを展開した。個人ユースからプロまでカバーできる品揃えが特徴。その中でも、ガスボンベで稼働するインバータ発電機が人気だ。
アトムは、農業・ガーデニング用ブーツでロングセラーの「GREEN MASTER」を展開した。来春は新デザインのヘザーグレーとリアルフォレストを発売する予定だ。
丸五は、19年に発売した完全防水で帯電防止機能があり耐油性とグリップ性の高い「Mandom#56」を今後も強化する。グリップを究極に高めたソール「ULTRA SOLE」を採用したスニーカーも展開した。
富士グローブは、手の平側に日本製皮革、手の甲側に日本製合皮皮革と、日本製にこだわった作業用手袋「QUARTET(カルテット)」を提案した。