カルビー、長期ビジョン「NEXT Calbee」をテーマに、既存品の活性化や新食感商品の開発を実施

カルビーでは昨年から長期ビジョン「NEXT Calbee」をテーマに、3つの戦略を打ち出している。時代に合わせた定番商品の活性化や多様なニーズに対応した新しい価値の商品提案など、さまざまな取り組みを引き続き進めている。
さまざまな食感が楽しめる3ブランドを展開

カルビーでは「NEXT Calbee」をテーマに、スナック市場をさらに活性化させるための3つの戦略を用意している。

1つめはロングセラーブランドの活性化。今年9月で発売45周年を迎えた「カルビーポテトチップス」。レギュラーサイズ12商品のパッケージフィルムサイズの横幅を20㎜短くリニューアルした。これにより段ボールの使用量削減、トラック輸送時の積載効率が向上。さらに、フェース数が広がるため売場での陳列効率がアップする。パッケージには植物由来のバイオマスインキを使用した。また、商品のパッケージを折りたたんで捨てる「折パケ」の推進運動「ルビープログラム」を開始。折って捨てることでゴミの量を減らせるため、パッケージ裏面などで折り方を掲載し、キャンペーンと連動してルビープログラムを推進していく。
2つめは、カルビーの強みでもある新食感商品の開発だ。同社では、原料素材のカット形状や厚さを工夫し新食感の商品を提案しており、昨年9月に発売したハードな新食感の「クランチポテト」は好評となっている。今年7月に全国発売を完了したカルビー最薄で軽い食感が楽しめる「シンポテト」は、薄さを最大限に生かす試作を数百回繰り返し、6年もの歳月をかけ、小さな形状と軽い食感を実現した。
さらに今年4月には、カルビー史上最厚級で通常の3倍の厚さの「ポテトデラックス マイルドソルト味」をエリア段階発売。同商品は、最厚級の厚さと味を追求するため、2回に分けて揚げるこだわりの製法「2度揚げ製法」を採用し、はじめはカリッと、後からホクホクとした食感が味わえる。秋には全国展開の予定だ。3ブランドでいろいろな食感が楽しめることを店頭で伝えていく。
さまざまなシーンで食べやすい「otomo pack」シリーズとして提案
3つめは、個食スナックの活性化。新しい生活スタイルになっても、さまざまなシーンで食べやすいスタンドパック型商品を「otomo pack(オトモパック)」シリーズとして展開する。
そら豆を丸ごと素揚げした「miino そら豆しお味」は、サクッとした食感と豊かなそら豆の風味が楽しめる商品として、2017年にコンビニエンスストア限定商品として発売し、スナック菓子では取り切れなかった40代以上の女性からの支持を集めた。豆本来のヘルシーさを生かした同商品は、一般社団法人食・楽・健康協会よりロカボ商品として認定されたことを受け、9月上旬から順次「ロカボマーク」デザインのパッケージで発売。9月中旬からは量販店へ販売チャネルを拡大している。
今年で発売25周年を迎えるロングセラーの「じゃがりこ」からは、30~40代男性をターゲットにした、おつまみ向け新ブランド「大人のじゃがりこ わさび醤油味」を9月に新発売。通常の「じゃがりこ」は、蒸したジャガイモの生地にフレーバーを練り込んで味つけしているが、「大人のじゃがりこ」はさらに、コーティング工程を追加して2段階で味つけすることにより、奥深い味わいが感じられる。スナックの食シーンとして増加傾向にある「お酒のおつまみ」ニーズに応える商品の投入で、新たな需要を取り込む。
売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2025/05/24
冷凍食品、多様化する消費者ニーズにこたえ コロナ禍明けも堅調に推移 -
2025/05/23
日本酒市場、食品とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイントを増やす -
2025/05/23
精肉1人当たり購入金額は減少傾向、簡便性や付加価値の訴求が活発化 -
2025/05/22
減塩商品の食卓出現頻度は増加傾向に、卓上調味料のニーズがとくに高く -
2025/04/07
菓子市場、物価高で食品全般が厳しいなか堅調も、カテゴリーごとには明暗 -
2025/04/07
スンドゥブ市場、韓流ブームを追い風に24年も市場は堅調に推移
この特集の一覧はこちら [164記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-05卸オリジナル商品市場、国産原料や健康訴求で差別化、付加価値型オリジナル商品を強化
- 2025-11-06シチュー市場、アレンジメニューやクロスMD提案で、秋冬以外の店頭露出の増加をめざす
- 2025-11-20チーズ市場、価格改定の影響続く中、高付加価値商品が市場を牽引
- 2025-11-21鍋市場、需要の多様化が進み 関連商品が続々
- 2025-09-22パスタ&パスタソース市場、コロナ禍以降、市場は堅調に推移 24年夏は米不足追い風に需要増
- 2025-11-04即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
- 2025-04-25ドレッシング市場、サラダ以外の汎用使いが浸透、野菜高騰下でも堅調に推移
- 2025-09-16食品のプロが注目!2025年下半期にヒットを予感させる厳選16新商品の横顔
- 2025-11-28「食品ではなく食事を売る」光洋×マルコメが開いた発酵食品の新しい売り方
- 2021-07-262021年の精肉市場はどうなる?販売データや大手食品スーパーの売場からトレンドを探る!
関連キーワードの記事を探す
チーズ市場、価格改定の影響続く中、高付加価値商品が市場を牽引
即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
卸オリジナル商品市場、国産原料や健康訴求で差別化、付加価値型オリジナル商品を強化




前の記事
