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オカムラ、「オートストア」で実現する新しい顧客体験とは?

オフィス家具や店舗陳列什器、物流システム機器等の製造・販売を行うオカムラは、2014年より、ノルウェー発祥のロボットストレージシステム「オートストア」の日本正規販売店を務めている。同システムは土地が狭い日本国内でも実力を発揮し、これまでにないソリューションとして注目を集めている。

シンプルな構造で死角のない高密度収納を実現

 「オートストア」は、グリッド上のロボットが高密度に収納されたコンテナの入出庫を行う、ロボットストレージシステムだ。ノルウェー発祥の同システムは96年に開発がスタートし、2004年に販売を開始、現在、アップデートを重ね、第5世代を販売している。

 オカムラは、開発元であるAutoStoreAS 社と直接販売契約を結んでいる唯一の日本企業である。日本の物流改善ニーズにもマッチした同サービスは、産業用部品やアパレル、電子部品、医療用品など、さまざまな業種業態で利用されている。現在、国内で約40件、世界では500を超す導入実績を持ち【図表1】、今、最も急成長している倉庫システムであるといえる。

【図表1】全世界のオートストアの導入実績(2020年5月現在)

 最も特徴的なのはコンテナを隙間なく積み上げることによる無駄のない高密度の収納にある。通常の平置き棚の倉庫の場合、人手の届かない上部空間や建屋の構造によるデッドスペースが生まれるが、「オートストア」ではアルミ製のグリッドによるスリムな躯体と通路不要の構造で、通常の平置き棚の約3倍の収納力を実現できるとしている。

 作業者は歩き回ることなく、定点でピッキングや補充ができるため、作業効率も大幅に向上。入出庫を繰り返すうちに、自然に高頻度品が上層部に集約されるため、入出庫にかかる時間も短縮されていく。複数台のロボットで稼働しているためシステム全体を止めることなく、1台ずつメンテナンスが可能。

マイクロフルフィルメントとしての「オートストア」の魅力

 これまで「オートストア」は主に物流倉庫としての役割を担ってきたが、近年では店舗に倉庫システムを導入することでECの利便性と魅力的な店内体験を同時に満たすマイクロフルフィルメントに利活用できることを訴求している。

 スーパーマーケットなどの食料品小売業においても,Eコマース(ネットスーパー)は成長を続けている。たとえば食品小売業で「オートストア」を導入した場合、顧客はオンラインでの注文時に、店舗、カーブサイド(ドライブスルー)、配達といった受け取りオプションを選択できる。顧客は自身の最適なタイミングで「オートストア」のピックアップポイントから人と接触することなく商品を受け取るという、ウィズコロナ時代に即した買い物ができるようになる。また、店頭受け取りを選ぶことでオンラインオーダーの受け取りと同時に店舗での買い物も楽しめるといったオンラインと実店舗のギャップを埋めることも可能だ。

 店舗側でもオンライン注文の商品を「オートストア」から出庫することでスタッフが店舗内を歩き回る従来のオペレーションと比べ大幅な効率化を実現、空いた時間を接客に回すなど、顧客満足向上のための時間も創出しやすくなる。

 設置場所は天井の高さや床の形状、柱などの障害物に合わせてカスタマイズが可能。高い収納密度を生かすことにより、バックヤードの在庫スペースを縮小してより多くの売場面積の確保するとともに品揃えの拡充も可能になる。

 オカムラのウェブサイトには「オートストア」のスペシャルコンテンツとして、ショッピングモールやスーパーマーケット、アパレルショップなど、業態別による運用イメージも紹介されている。オカムラでは店舗づくりから物流システム構築までトータルでの提案が可能であり、「オートストア」を通じて、小売り店舗の新たな形を提案していきたいとしている。