スーパーの総菜からあげ最前線を直撃レポート!=連載:深堀りすれば見えてくる「からあげ」
イオンリテール:誰からも愛される王道の味をめざし5つのこだわりをもつ「唐揚げ 唐王」を開発
看板商品の伸び悩みをいかに解決していくか
イオンリテール(千葉県/井出武美社長)において総菜部門を統括する食品本部デリカ商品部長の金子聡氏によれば、からあげはベーシックメニューの1つであり、“店の顔”ともいえる看板商品だという。
「商品の良し悪しはお客さまの反応ですぐにわかり、それによって総菜全体の評価が決まると言っても過言ではありません」それゆえ、からあげの商品開発には絶えず力を入れてきたが、ここ数年、“視界不良”に陥っていたと明かす。創意工夫に取り組むものの、なかなか数字に反映されず、難しい時期が続いていた。
そこで金子氏らは、何が伸び悩みの要因なのかを分析することから始めた。大きな課題は2つ。1つは店内調理だからこそ生じる規格のズレだ。各店でつくると、粒の大きさや揚げ具合などが試作品と微妙にズレてしまう。店舗によってつくり手が異なるため、多少のズレが生じるのは致し方ないにせよ、その幅をいかに小さく抑えるか? そしてもう1つはプロモーションの方法だ。商品名の認知も含め、総菜からあげの魅力をうまく伝え切れていなかった。
「ベーシックな料理だからこそ、逆に難しい。自信をもって販売できるからあげをつくることはもちろん、再現性の高いレシピに落とし込むことが急務でした」(金子氏)
じっくりと腰を据え、開発に取り組むこと半年余り。ついに完成したのが、その名も「唐揚げ 唐王」だ。「唐揚げの王道をめざす」という思いを込めて名付けられたからあげは2019年10月より販売を開始した。