~ハビんぐグラスハーモニー ジェックス~
小動物用品から久しぶりの受賞商品インテリア性、静音性、保温性が向上
ガラス素材のオールクリアーケージ
「ペット:小動物・観賞魚用品」部門から、久しぶりに受賞商品が出た。過去のアンケートでも、同部門で観賞魚用の水槽などが挙がることはあったが、票が集まることは少なく、とくに小動物用で、受賞商品が出ることはなかった。
今年受賞となったのは、ジェックスが2019年3月に発売した、ハムスター用ケージの「ハビんぐ グラスハーモニー プラス」だ。
同商品の特徴は、前面・側面・背面にガラス素材を採用し、中が見やすいオールクリアーケージにしたことが特徴だ。それによりデザイン性が高まり、インテリアとして、同商品を室内に置いてもまったく違和感がなくなり、消費者から高い支持を集めた。
また、ハムスターの飼育に必須の回し車にベアリングを採用したことで、静音性を格段に向上させた「ハーモニーホイール」を採用した。
これまでのハムスター用ケージでイメージされるカゴタイプのケージでは、寒さ対策が問題だった。ハムスターは寒さに弱く、ヒーターを取り付けても、カゴだと保温性がなく、室内をつねに暖かくしておくか、または毛布などで覆わなければならなかった。グラスハーモニーは底面にシートヒーターを差し込むことが可能。水槽とは異なり、通気口や前面扉が設けられているのだが、カゴと比較すると保温性は向上している。
ガラス水槽をはじめとする観賞魚用品でもトップメーカーのジェックスが、インテリアとして観賞魚を提案するように、ハムスターの飼育にインテリア発想の商品といえる。
圧倒的な高評価のデザイン
最高評価の「5」だったのは、「ブランド力」と「新規機能性」「斬新さ(デザインなど)」の3項目。
その中でも、「デザイン性」に票が集まった。「ハムスターケージで今までにないシンプルなデザインがよい」といったバイヤーからの評価からも、自信を持って売場で提案できる商品だ。
また、「新規機能性」に関しては、前述した機能のほかに、底トレイとケージ本体をとめるだけで設置できることや、ケージ本体と底トレイが取り外せるので床材の交換などの手入れが簡単なこと、セットで回し車のほかにウォータボトルも付いていることなど、初めてハムスターを飼う人にも受け入れてもらえるスターターケージであることが評価された。
「ブランド力」で最高評価の「5」だったことは、ジェックスの「GEX」ロゴが小動物用品でも浸透していることがうかがえる結果だ。
静音性の高い回し車装着で大ヒット商品に飛躍
「ハビんぐ グラスハーモニー450プラス」「ハビんぐ グラスハーモニー360プラス」は2018年に発売されたシリーズ商品を、リニューアルして19年2月から発売された。
もともとのシリーズコンセプトとして打ち出していたのは、小動物用ケージとしてはそれまでにあまりなかったインテリア性の高い、ガラス素材を採用したシンプルなデザインの実現。ガラスはAGCグループ製の高品質ガラスを使用しており、もともと観賞魚用水槽のメーカーとして評価されてきた同社ならではのノウハウを最大限に生かし、自社工場でのガラス加工の精度と組立技術が応用されている。ケージの中で遊ぶハムスターをずっと見ていたいというオーナー層にとっては、“檻おり”のイメージがない透明度の高いガラスケースのほうが抵抗なく見やすい点や、また、購入後に組み立てに一定の時間が必要だった従来商品に比べて、パッケージから出せばほぼそのまま使用できる形状で販売する形式にしたことも注目点だった。
またガラスケージでありながら、扉を前面に観音扉形式で装備しており、上面から手を入れるとこわがる傾向にあるハムスターの習性にも配慮している。
今期の新商品として高く評価されたリニューアル商品は、静音性の高い回し車を装着したことが最大の改良点。夜行性のため夜間に回し車で遊ぶ習性のあるハムスターだけに夜間の静音性は大きなメリットとして評価された。
この結果、リニューアル後の販売実績は計画の150%を記録。19 年9月には消費者のニーズに対応して、より大きいサイズの「ハビんぐ グラスハーモニー600プラス」を発売するなど、市場に大きなインパクトをもたらした。また併せて発売したハウス、トンネル、トイレなどの関連用品も本体と同イメージのシンプルデザインを採用しており、好調に販売実績を伸ばしている。
メーカー(担当者)のコメント
関連商品の発売・拡販で市場の活性化に貢献
今回の受賞はバイヤーさんに注目していただき、選んでいただけたという意味で大変うれしいです。小動物用品を10年以上手掛けてきた経験から生まれた新商品ですし、「グラスハーモニー」というネーミングも、商品の特徴を象徴すると同時に、お客さまに親しんでいただきたいという思い入れもありましたので、ひときわうれしいです。
注目される足掛かりになったのはやはりSNSだと思います。こちらからもインスタグラムを通じたモニターキャンペーンを実施したほか、YouTuberさんが紹介した動画が83万回以上再生されるなど話題になりました。
また店頭でも、使用イメージがわかるような現物展示を提案し、効果的でした。販売価格面では通常のケージよりはややお高めにはなりますが、商品の魅力を伝えることで着実にニーズがとらえられたと実感しています。
ねずみ年の20年は、その飼いやすさからあらためて注目されているハムスター市場のさらなる伸長を期待しています。今回のヒットを機会としてエサ皿やかじり木など、デザインや品質にこだわったシリーズ関連商品を新たに発売し、販売強化に力を入れていきたいと思います。