イトーヨーカドーが医薬品の価格見直しと、化粧品の品揃え強化を進める理由

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
Pocket

ドラッグストア(DgS)が生鮮を含む食品強化に動き、食品スーパー(SM)をはじめ食品を主軸とする小売業の売上を侵食している。対してSMもDgSに反撃することはできないのか。こうしたなかイトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)がフード&ドラッグ戦略を掲げて、DgS商材の販売を強化。地域における需要奪取に成功している。その取り組みをレポートする。

約8倍の来店客数と広い売場を生かす

 イトーヨーカ堂は、親会社のセブン&アイ・ホールディングス(東京都:以下、セブン&アイ)のめざすグループ像「食を中心とした世界トップクラスのグローバルリテールグループ」の実現に向けて、グループ戦略の核となる食の領域にフォーカスした抜本的な変革を進めている。

 一方で、2年半ほど前から非食品の領域である医薬品や化粧品、日用品などのDgS商材に事業機会を見出し、フード&ドラッグ戦略を推進している。

 イトーヨーカ堂執行役員専門店事業部長の梅津尚宏氏は「近年DgS業態が好調に市場シェアを伸ばすなか、われわれにも勝ち筋があるのではないかと考えていた」と振り返る。

DgSらしい売場
若い世代を中心に、DgS商材はDgSで買うという行動が定着するなか、利用獲得するべくDgSらしい売場演出を行う

 食品を軸とする総合スーパー(GMS)業態の「イトーヨーカドー」はDgSに比べて来店頻度が高く、1日あたりの来店者数はDgSの約8倍にのぼるという。駅前立地に多く出店し、DgSに比べて売場面積が大きいのも強みだ。また、約50年前から医薬品販売業として医薬品を取り扱うほか、長年にわたって化粧品や日用品も売場で販売しており、DgSに対抗する品揃えや売場づくりを行える素地はある。

 しかし、1店舗あたりのDgS商材の売上高は、

続きを読むには…

この記事はDCSオンライン+会員限定です。
会員登録後、DCSオンライン+を契約いただくと読むことができます。

DCSオンライン+会員の方はログインしてから閲覧ください。

記事執筆者

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 / 株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア

ダイヤモンド・チェーンストア編集部は、業界をリードする提案型編集方針を掲げ、小売業の未来を読者と共に創造します。私たちは単なるニュース伝達に留まらず、革新的なビジネスモデルやトレンドを積極的に取り上げ、業界全体に先駆けて解説することを使命としています。毎号、経営のトップランナーへの深掘りインタビューを通じて、その思考や戦略を読者に紹介します。新しくオープンする店舗やリニューアルされた店舗の最新情報を、速報性と詳細な分析で提供し、読者が他では得られない洞察を手に入れられるよう努めています。私たちの鋭い市場分析と、現場の細部にわたる観察を通じて、注目すべき店舗運営の秘訣を明らかにします。

ダイヤモンド・チェーンストア編集部紹介サイトへ

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態